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産業医を扱うのは24社中16社。求人検索の科目や施設区分から選べるのは14社で、産業医を専門にする2社は絞り込みから消える

この記事は、台帳に載せている24社の公式サイトを2026年8月20日と8月21日に読んで分かったことだけで書いています。テーマは産業医です。

先に、この記事が書かないことを4つ挙げます。産業医の報酬相場は書きません。相場や平均額を公式サイトに書いている社が24社を読んだ範囲では見当たらず、こちらで計算して出せる数字でもないからです。産業医の選任義務の人数要件も書きません。24社の公式サイトを読んだ記録の中に条文の引用が無く、条文名を確かめずに書くと、この台帳がいちばん避けたい「うろ覚えの数字」になるからです。口コミと体験談は書きません。うちは1件も持っていません。順位も付けません。「産業医ならここ」と書くには比べる軸を1本に決める必要があり、その1本を決めるのは読む人の事情だからです。

代わりに、軸になりうる項目を24社ぶん数えました。数えられなかったものは数えていません。社数を出すときは、台帳のどの欄で判定したか分母が何社かを毎回本文に書きます。

この記事にはもう1つ、はっきりした目的があります。産業医は、求人の絞り込み条件だけを材料にして数えると、産業医の専門会社が真っ先に消える切り口です。なぜそうなるのか、消えるとどうなるのかを、いちばん最初の節に置きました。台帳の作り方の話ではなく、産業医の求人を探す人が実際に踏む落とし穴の話です。

常勤・非常勤といった雇用形態の全体像は医師の転職サイト24社の記録に、1日単位のスポットは医師のスポットバイト24社の記録に、週◯曜日の定期非常勤は医師の定期非常勤24社の記録に、科目の区切り方は診療科24社の記録に書いています。重なる部分はそちらに送ります。

産業医を扱うのは24社中16社。求人検索の科目か施設区分で選べるのは14社

まず結論から書きます。台帳の24社のうち、産業医を扱うと公式サイトに書いているのは16社です(一覧)。ところが、求人検索の科目か施設区分から産業医を選べるのは14社しかありません。

差の2社は、エムステージの産業医求職支援サービス(株式会社エムステージ)とさんぎょうい株式会社です。どちらも産業医を専門に扱っている会社で、求人検索そのものを持っていません

この2社が落ちる理由は単純です。台帳が絞り込みの判定に使っている欄は3つあります。

  • koyouKensaku — 求人検索で選べる雇用形態
  • shinryokaKensaku — 求人検索で選べる科目
  • shisetsuKensaku — 求人検索で選べる施設区分

3つとも「求人検索で選べる選択肢」を写した欄です。だから求人検索を持たない社は、3欄すべてが空になります。空の欄からは何も拾えないので、どの絞り込み条件で数えても、この2社は必ず一覧の外に出ます

産業医を探しに来た人にとって、これは他人事ではありません。「産業医の求人を扱うサービス」を絞り込み条件で作ると、産業医専門の会社だけが載っていない一覧ができあがります。産業医を探しに来た人が、産業医専門の会社を見落とすことになります。

台帳ではこれを避けるために、4つ目の欄を足しました。

  • senmonRyouikiそのサービスが扱う領域

エムステージの産業医求職支援サービスとさんぎょうい株式会社は、この欄に「産業医」が入っています。16社という数字は、14社にこの2社を足したものです。

ここで大事なのは、senmonRyouiki を見てよい場面と見てはいけない場面が分かれることです。

  • 「産業医を扱っているか」を問うときsenmonRyouiki も見ます。だから16社
  • 「求人検索で産業医を選べるか」を問うときsenmonRyouiki は見ません。だから14社

この2つは別の問いです。混ぜると数字が壊れます。この記事では、社数を出すたびにどちらの問いなのかを書きます

同じ理由で、senmonRyouiki は雇用形態や診療科の切り口には混ぜません。「非常勤を扱う社」を数えるときにこの欄を見てしまうと、求人検索で非常勤を選べる社と、非常勤の希望を登録フォームで受け取るだけの社が、同じ数字の中に入ってしまうからです。領域を問う切り口(健診・美容・産業医)だけがこの欄を見ます

産業医を求人検索の科目か施設区分で選べる14社は次のとおりです。

この14社に、産業医専門の2社を足したものが16社です。

求人検索を持たない3社のうち2社が産業医専門。3つの判定欄が空になる理由

台帳の24社のうち、公式サイトに求人検索そのものが無いのは3社です。

  • エムステージの産業医求職支援サービス — 産業医専門。「求人検索の機能がなく、公開求人数の表示もない」。案件は登録後に専任コンサルタントが紹介する形
  • さんぎょうい株式会社 — 産業医専門。同じく「求人検索の機能がなく、公開求人数の表示もない」。案件は登録後にコーディネーターが調整する形
  • 医師のセカンドキャリア — 「求人検索」というページはありますが、そこに絞り込みはありません。「セカンドキャリア求人を探す」ボタンの遷移先は別サイトのDoctor's Life Career(同じ一般社団法人 国際事業総合研究所の運営)です

3社のうち2社が産業医専門です。これは偶然ではありません。産業医の案件は企業の事業場ごとに条件が決まり、求職側の資格と経験が先に問われる形なので、医療機関の求人のような「条件を選んで一覧を出す」画面と相性が悪い、という説明は成り立ちます。ただしこの説明は公式サイトに書かれていません。台帳が確認できたのは、2社とも求人検索を持たず、登録フォームだけを入口にしている、という事実までです。

この3社は koyouKensaku / shinryokaKensaku / shisetsuKensaku の3欄がすべて空になります。空である理由は「産業医に対応していない」ではなく「求人検索という仕組みが無い」です。産業医専門の2社にいたっては、扱っているのが産業医だけです。

さらに厄介なのは、この2社の登録フォームには、絞り込みに見える選択肢が並んでいることです。

  • エムステージの登録フォームの「ご希望の働き方」は 専属産業医(常勤)/嘱託産業医(定期)/特になし の3つ(複数選択可)
  • さんぎょういの登録フォームの「勤務形態(複数選択可)」は 専属/属託/スポット の3つ

これを koyouKensaku に入れたくなりますが、台帳は入れていません。求人検索で選べる区分ではないからです。さんぎょういの台帳のメモには「とくに『スポット』を koyouKensaku に入れたくなるが、検索で選べる区分ではないので入れなかった」と、迷った記録がそのまま残っています。

結果として、この2社は雇用形態の切り口(常勤・非常勤・スポット)には1つも現れず、領域の切り口(産業医)にだけ現れますスポットを扱う11社にこの2社は入っていません。非常勤を扱う19社にも常勤を扱う18社にも入っていません。同じ台帳の中で、雇用形態の切り口には現れず、領域の切り口には現れるということです。

読む側にとっての意味はこうです。産業医の仕事を「非常勤の求人」として探すと、産業医専門の2社には行き当たりません。嘱託産業医は月に1日、1回60〜120分という単位の仕事で、医療機関の非常勤とは勤務の形が違います。それでもサイトの分類上は非常勤に見えるので、非常勤の一覧から入るという探し方は自然です。その自然な探し方が、この2社を素通りします

産業医の置き場所は科目に12社、施設区分に3社。両方に置いているのは1社

求人検索で産業医を選べる14社を、どの欄に置いているかで分けると、こうなります。判定に使ったのは shinryokaKensaku(求人検索の科目)と shisetsuKensaku(求人検索の施設区分)です。

置き場所 社数 サービス
科目 12社 ドクタービジョン/ドクターキャスト/Dr.アルなび/Dr.転職なび/e-doctor/医師バイトドットコム/医師キャリ/医師ジョブ/医師転職ドットコム/日本医師会ドクターバンク/JMC/ジョブメドレーエージェント 医師
施設区分 3社 ドクターキャスト/DtoDコンシェルジュ/m3.com CAREER
両方 1社 ドクターキャスト

12社と3社を足すと15社ですが、ドクターキャストが両方に持っているので、重複を除いて14社です。

科目に置いている12社は、産業医を診療科と同じ並びのチェックボックスにしています。表記は社によって違います。

  • 産業医 — ドクタービジョン、ドクターキャスト、e-doctor、医師バイトドットコム、医師キャリ、医師転職ドットコム、日本医師会ドクターバンク、JMC、ジョブメドレーエージェント 医師 の9社
  • 産業医関連Dr.アルなびDr.転職なびの2社(どちらも株式会社エムステージ)。この2社は隣に「ストレスチェック関連」という別の区分も持っています
  • 産業医・企業系医師ジョブの1社だけ。産業医と企業勤務を1つの区分にまとめた表記です

施設区分に置いている3社は、勤務先の種類として産業医を扱っています。

  • ドクターキャスト — 施設区分が 一般病院/リハビリ病院/療養型病院/精神病院/クリニック/老健/企業(産業医)企業(製薬)/その他 の9区分。企業を産業医と製薬に割ったうえで施設の並びに入れています
  • m3.com CAREER — 常勤の求人検索の「施設区分」が 一般/療養型/精神/老健/ケアミックス/クリニック/産業医(企業)/製薬企業/その他 の9区分。ドクターキャストとは括弧の中身が逆で、こちらは「産業医」が主、「企業」が従の表記です
  • DtoDコンシェルジュ — 施設の形態(9区分)とは別に「職業別」という独立したグループを立て、そこに 産業医/製薬会社 の2つを置いています

DtoDだけは、サイト上の見出しが「施設の形態」ではありません。台帳がこれを shisetsuKensaku に入れた理由は、メモにこう書いてあります。「サイトの見出しは『施設の形態』ではなく『職業別』だが、選んでいるのは勤務先の種類で、ドクターキャストが同じものを施設区分の中に『企業(産業医)』として置いているのと実質が同じ」。そして「入れないと、産業医の絞り込みを実際に持っている社が産業医の一覧から消える」とも書いてあります。判定欄の作り方ひとつで、実際に絞り込みを持っている社が消えます

もう1社、判定に手が入っているのが日本医師会ドクターバンクです。この社の「募集科目を選ぶ」のチェックボックスに産業医はありません。代わりに産業医だけの独立した求人検索(/occupational)があり、その求人カードの科目の位置に「産業医」と表示されます。台帳はこれを根拠に、科目の一覧に「産業医」を1つだけ足しています。根拠がチェックボックスではなくタブであることは、台帳のメモに明記されています

つまり14社という数字は、そのまま写した12社と、判定の線引きを1回ずつ入れた2社(DtoDと日本医師会ドクターバンク)でできています。線引きの中身を書かずに「14社」とだけ出すと、検算できない数字になります。

産業医を扱う16社を動かしているのは13の運営会社。エムステージだけで3サイトある

16社を運営会社でまとめ直すと、13社になります。判定に使ったのは operator です。

株式会社エムステージの3つは、産業医の扱いが3通りに分かれています

サービス 産業医の扱い
Dr.転職なび(常勤) 科目に「産業医関連」「ストレスチェック関連」、仕事の内容(10項目)に「産業医業務」
Dr.アルなび(非常勤・スポット) 科目に「産業医関連」「ストレスチェック関連」、仕事区分に「産業医業務」と「労働者への面接指導」
エムステージの産業医求職支援サービス 求人検索なし。専属産業医(常勤)と嘱託産業医(定期)の2つを登録フォームで受ける

同じ会社が、同じ産業医という言葉を3通りの粒度で扱っています。臨床の求人サイト2つでは科目の1つ、産業医専門のサービスでは事業そのものです。Dr.アルなびのトップページのサイドには産業保健のサイトへのバナーがありますが、Dr.アルなび内に産業医求職支援サービスの説明はありません。導線はバナー1つです。

株式会社メディウェルの2つは、逆に扱いが揃っています。どちらも科目に 産業医/製薬企業/社医 の3つを別々に持ち、施設形態は 病院/精神科病院/クリニック/介護施設/企業 の5区分で同じです。科目の一覧が一致するのは、同じ運営会社の2サイトに共通する特徴でした(診療科24社の記録の「同じ運営会社の2サイトは、科目の一覧が一致する」の節)。

台帳の24社全体では、24のサービスを20の運営者が動かしています(医師の転職サイト24社の記録)。産業医の切り口だけを取り出すと、16社が13の運営会社になります。この数字は、探すときに知っておくと少しだけ役に立ちます。同じ会社の別サイトに登録しても、聞かれることや紹介の仕組みが同じとは限らないからです。エムステージの3つがその例です。

「業務内容」の軸まで数えると17社になる。MRT・民間医局・マイナビDOCTORはそこにしか産業医がない

ここまでは科目と施設区分の話でした。ところが求人検索には、科目でも施設区分でもない3本目の軸があります。社によって「業務内容」「仕事内容」「勤務内容」「仕事区分」と名前が違いますが、外来・病棟管理・読影・透析管理といったその日にやることの一覧です。

この軸に産業医を置いている社が10社あります。判定に使ったのは台帳の shisetsukensaku(どちらも求人検索の絞り込みを表記のまま写した散文の欄)です。

サービス 軸の名前 産業医の表記
ドクタービジョン 仕事内容(31項目) 産業医/メディカルドクター/社医
Dr.アルなび 仕事区分(日勤帯) 産業医業務/労働者への面接指導
Dr.転職なび 仕事の内容(10項目) 産業医業務
医師バイトドットコム 仕事内容(定期・20項目) 産業医
医師転職ドットコム 仕事内容 産業医
医師キャリ 業務内容 産業医
医師ジョブ 業務内容 産業医
MRT 業務内容 産業医
民間医局 勤務内容(14項目) 産業医
マイナビDOCTOR 仕事内容(46項目) 産業医

この10社のうち7社はすでに14社の中に入っています。科目か施設区分にも産業医があり、そのうえで業務内容にも産業医がある、という形です。

残る3社が問題ですMRT民間医局マイナビDOCTORの3社は、産業医が業務内容の側にしかありません。科目にも施設区分にも産業医は現れないので、台帳の16社にも、その内訳の14社にも入っていません。

  • MRT — 業務内容の選択肢に「産業医」があります。施設形態には「一般企業」がありますが、これは施設の種類であって産業医業務を指す語ではないので、台帳は産業医として数えていません。さらに同社は産業医向けの別サイト(sangyoi.medrt.com)を持ち、「業界トップクラスの紹介実績と信頼」「メンタルヘルスに精通した経験豊富な産業医のネットワーク」「24時間365日対応」と書いています。会員限定コンテンツの6つにも「産業医サービス」が入っています
  • 民間医局 — 「勤務内容」14項目に 外来・病棟管理/…/メディカルドクター/産業医/その他 と並びます。施設形態は 病院/クリニック/老健/企業/その他 の5区分で、「企業」はありますが産業医とは書かれていません
  • マイナビDOCTOR — 「仕事内容」46項目に産業医があります。施設種別の10区分にも「企業」はありますが産業医とは書かれておらず、こだわり条件18項目には「企業で働く」という別の入口もあります

つまり、数え方を1つ変えるだけで社数が変わります

何を材料にするか 社数
求人検索の科目か施設区分 14社
上に「そのサービスが扱う領域」を足す(台帳の一覧の作り方) 16社
求人検索の科目・施設区分・業務内容 17社
求人検索の3つの軸+そのサービスが扱う領域 19社

どれも間違いではありません。違うのは分母ではなく、何を「産業医を選べる」と呼ぶかです。台帳の産業医の一覧が16社なのは、判定欄を shinryokaKensaku / shisetsuKensaku / senmonRyouiki の3つに決めているからで、業務内容を読む4つ目の欄をまだ持っていないからです。この記事では、その足りない分をこの節で明示しました。

読む側にとっては、こちらのほうが実用的な結論になります。産業医の求人を探すとき、科目の欄に産業医が無くても「無い」と決めないでください。業務内容の欄をもう一度見ると、そこに産業医が入っていることがあります。少なくとも3社は、そこにしかありません。

12社とも産業医は科目一覧の後ろに置かれている。いちばん前でも45区分中の39番目

科目に産業医を置いている12社について、科目一覧の何番目に産業医が並んでいるかを数えました。判定に使ったのは shinryokaKensaku で、公式サイトの並び順をそのまま写した配列です。

サービス 産業医の位置 科目の総数 直前の区分 直後の区分
医師キャリ 39番目 45 緩和ケア 精神科
JMC 36番目 40 訪問診療 病理科
e-doctor 39番目 44 老健施設 製薬企業
Dr.アルなび 52番目 58 小児神経科 ストレスチェック関連
ドクターキャスト 41番目 43 老健 製薬
Dr.転職なび 52番目 55 小児神経科 ストレスチェック関連
ジョブメドレーエージェント 医師 37番目 39 病理科・病理診断科・臨床検査科 老健施設
医師バイトドットコム 50番目 53 在宅医療 製薬企業
医師転職ドットコム 50番目 53 在宅医療 製薬企業
ドクタービジョン 51番目 53 ペインクリニック科 その他診療科目
医師ジョブ 44番目 46 総合診療科 その他
日本医師会ドクターバンク 47番目 48 健診・人間ドック その他

12社とも一覧の後ろのほうです。いちばん前に置いている医師キャリでも45区分中の39番目で、一覧の86%を過ぎたところにあります。いちばん後ろは日本医師会ドクターバンクの48区分中47番目で、次はもう「その他」です。

直後に何が来ているかを見ると、置かれ方の意味が分かります

  • 製薬 — ドクターキャスト、e-doctor、医師バイトドットコム、医師転職ドットコムの4社は、産業医の次が製薬企業(または製薬)です
  • その他 — 医師ジョブ、日本医師会ドクターバンク、ドクタービジョンの3社は、産業医の次が「その他」か「その他診療科目」です
  • ストレスチェック関連 — Dr.アルなびとDr.転職なびの2社は、産業医関連の次がストレスチェック関連です

つまり産業医は、内科・外科の並びの続きではなく、一覧の末尾にある「診療科ではないものの区画」に置かれています。この区画に何が集まっているかは、診療科24社の記録の「科目の一覧に診療科でない区分が混ざる」の節に書いたとおりです。

この並び順は探し方に直接効きます。科目のチェックボックスが40も50もある画面で、上から順に読んで内科・外科あたりで目的の科目を見つける人は、産業医まで届きません。産業医を科目で探すときは、一覧のいちばん下から見たほうが速い、というのが12社ぶん数えた結果です。

なお、医師キャリだけは並びが他社と違います。産業医の直前が緩和ケア、直後が精神科で、その後ろにまだ神経内科・心療内科・検診・訪問診療が続きます。同社の科目一覧は内科系と外科系のグループ見出しも選択肢になっている作りで、末尾がきれいに揃っていません。

産業医の隣には製薬が並ぶ。「社医」を独立した区分にしているのは5社

産業医の区分を持つ社は、たいていその隣に製薬の区分も持っています。判定に使ったのは shinryokaKensaku / shisetsuKensaku / kensaku です。

製薬の区分を持つのは8社で、8社とも産業医を選べる14社の中にあります。

産業医の区分を持ちながら製薬の区分を持たない社は6社です。ドクタービジョン、Dr.アルなび、Dr.転職なび、医師ジョブ、日本医師会ドクターバンク、JMCがそれにあたります。

もう1つ、産業医の近くに置かれる語が「社医」です。社医の区分を持つのは5社で、置き場所は4通りに割れます。

サービス 置き場所 表記
医師バイトドットコム 科目 社医
医師転職ドットコム 科目 社医
ドクタービジョン 仕事内容 社医
ジョブメドレーエージェント 医師 ポジション 社医
e-doctor こだわり条件 産業医・製薬医・社医

科目として社医を独立させているのは医師バイトドットコム医師転職ドットコムの2社(どちらも株式会社メディウェル)だけです。この2社は同じ科目一覧に 産業医/製薬企業/社医 の3つを別々に並べています。

e-doctorは逆で、産業医・製薬医・社医を1つの選択肢にまとめました。こだわり条件の中の「産業医・製薬医・社医」という1項目です。同じ社の中で科目には「産業医」と「製薬企業」が別々にあるので、こだわり条件のほうがまとめた形になっています。

メディカルドクター」という語を区分に持つのは3社です。ドクタービジョン(仕事内容)、民間医局(勤務内容)、日本医師会ドクターバンク(業務内容)。日本医師会ドクターバンクの業務内容には、ほかに「公衆衛生医師」「検疫官」「査定医」も並びます。ここに産業医は入っていません(前の節に書いたとおり、この社の産業医は独立した検索です)。

社医・産業医・メディカルドクター・製薬医が、公式サイトの上でどう違うのかを説明している社は、24社を読んだ範囲では見当たりませんでした。区分としては別に立てられているのに、定義は書かれていない、という状態です。この記事でも定義は書きません。書けば台帳に無いことを足すことになるからです。

専属と嘱託で求人を絞り込めるのは24社中1社。日本医師会ドクターバンクの産業医検索は確認日で4件

産業医の求人を探す人が最初に決めることの1つが、専属か嘱託かです。ところが、この2つで求人を絞り込める求人検索は、24社の中に1つしかありません

日本医師会ドクターバンクです。この社の求人検索はグローバルナビが3つに分かれています。

  • 常勤・非常勤 — 勤務形態を 常勤/非常勤 から選ぶ
  • スポット — 勤務形態を 日勤(終日)/日勤(午前のみ)/日勤(午後のみ)/夜診/当直/日当直 から選ぶ
  • 産業医 — 勤務形態を 専属産業医/嘱託産業医 から選ぶ

3つは別々の検索画面です。同じ「勤務形態」という言葉が、3つの画面で3通りの中身になっています。産業医のタブでだけ、常勤/非常勤ではなく専属/嘱託が出てきます。

確認日(2026年8月20日)の該当求人数はこうでした。

検索画面 現在の求人件数
常勤・非常勤 1,819件
スポット 109件
産業医 4件

3つを足した数字は公式サイトが出していないので、こちらでも足していません。台帳のメモにもそう書いてあります。

この社は総合型でありながら、産業医専門の2社と同じ「専属/嘱託」の切り方を求人検索に持ち込んでいる唯一の社です。他の13社は、産業医の求人を科目や施設区分で絞り込んだあと、専属か嘱託かを求人票の中身で見分けることになります。

台帳が「専属産業医/嘱託産業医」を koyouKensaku に入れなかった理由も、メモに残っています。「これは雇用形態の常勤/非常勤/スポットとは別の軸なので koyouKensaku には入れていない」。専属を常勤に、嘱託を非常勤に読み替えていません。読み替えれば数字は揃いますが、公式サイトがそう書いていない以上、それは台帳がやっていいことではありません。

なお、この社の運営は公益社団法人日本医師会で、求職者にも求人施設にも手数料が発生しません(「当事業は、厚生労働省の指定事業のため、情報登録から紹介・成立まで、求人施設、求職者共にすべて無料で利用できます」)。日本医師会の会員でなくても登録できます(「日本医師会会員以外の方もご利用いただけますので、まずはご登録をお願いいたします」)。一方で「見学やオンラインも含め、面談の同行・同席は行っておりません」とも明記しており、コーディネーターが面談に同席しないという点は他社と違います。さらに「産業医/スポットでのご希望条件を登録された場合は、コーディネーターからご連絡いたしませんので、新着求人のお知らせやホームページ検索よりお問い合わせください」と書かれています。産業医とスポットについては、登録しても連絡が来ない仕組みだと公式サイトが先に書いているということです。

専門2社は専属と嘱託を登録フォームで聞く。さんぎょういは同じフォームに「属託」と「嘱託」が混在する

求人検索を持たない産業医専門の2社は、専属と嘱託を登録フォームの選択肢として聞きます。

エムステージの産業医求職支援サービス の「ご希望の働き方」(必須・複数選択可)は3つです。

  • 専属産業医(常勤)
  • 嘱託産業医(定期)
  • 特になし

この社は契約形態も書き分けています。嘱託産業医は「エムステージとの業務委託」、専属産業医は「企業との直接契約」です。契約の相手が違います。嘱託は紹介会社と業務委託を結び、専属は企業と直接契約する、という区別を公式サイトが明示している社は、24社を読んだ範囲でこの1社だけでした。

さんぎょうい株式会社 は2つの欄で聞きます。

  • 「勤務形態(複数選択可)」 — 専属/属託/スポット の3つ
  • 「契約形態(経験の有無)」 — 専属産業医/嘱託/スポット・オンライン/経験なし の4つ

「属託」は公式サイトの表記のままです。同じフォームの別の欄では「嘱託」と書かれており、1つのフォームの中で表記が揺れています。台帳はどちらも直さずに写しました。

2つの欄を並べると、同じ「スポット」でも中身が違うことが分かります。勤務形態のほうは「スポット」単独、契約形態のほうは「スポット・オンライン」で、単発対応と遠隔対応が1つの枠にまとまっています。この違いの説明は公式サイトにありません

さんぎょういの医師向けページには、企業側の依頼例として「出産、怪我、病気、入院etc・・・ 一時的にピンチヒッターをお願いしたい」が挙がっています。産業医にも代役の需要が発生する市場であることを、依頼側の言葉として書いている形です。

エムステージには1日単位のスポットの区分がありません。扱うのは「専属産業医(常勤)」と「嘱託産業医(定期)」の2つだけです。同じ株式会社エムステージが運営するDr.アルなびの側には「産業医関連」「ストレスチェック関連」という科目がありますが、導線は分かれています。産業医求職支援サービスのページから求人検索に入ることはできません。

ここまでをまとめると、専属と嘱託の選び方は3通りに割れます。

選び方 社数 サービス
求人検索の勤務形態で選ぶ 1社 日本医師会ドクターバンク
登録フォームの選択肢で選ぶ 2社 エムステージの産業医求職支援サービス/さんぎょうい株式会社
どちらにも区分が無い 13社 上の3社を除いた、産業医を扱う13社

13社では、専属か嘱託かは求人票の中身を読んで判断することになります。産業医の求人だけを絞り込めても、専属と嘱託を分ける仕組みはそこに無い、ということです。

産業医は常勤・非常勤の軸では取れない。専門2社の嘱託の勤務は「1回 / 60〜120分」

産業医を扱う16社を、雇用形態の切り口と突き合わせるとこうなります。判定に使ったのは koyouKensaku です。

雇用形態 産業医16社のうち該当する社数
常勤を求人検索で選べる 12社
非常勤を求人検索で選べる 12社
スポットを求人検索で選べる 7社

16社の全部が並ぶ行はありません。産業医専門の2社は求人検索を持たないので、どの行にも入らないからです。

残る14社の内訳も揃いません。常勤を選べない2社Dr.アルなび医師バイトドットコムで、どちらもアルバイト専門のサイトです。非常勤を選べない2社Dr.転職なびJMCで、どちらも常勤しか扱わず、非常勤は同じ運営会社の別サイトにあります。この分かれ方の詳細は医師の定期非常勤24社の記録に書いたとおりです。

ここで押さえておきたいのは、産業医の勤務は、医療機関の常勤・非常勤とは単位が違うということです。

エムステージの産業医求職支援サービスは、嘱託産業医の勤務頻度をこう書いています。

1日勤務 / 1~2ヶ月

1回 / 60~120分

1〜2か月に1日、1回あたり60〜120分です。専属産業医のほうは「3~5日勤務 / 週」と書かれています。

医療機関の定期非常勤は「毎週◯曜日の午前」という形で、医師の定期非常勤24社の記録に書いたとおり14社が勤務曜日で絞り込めます。嘱託産業医の頻度は、その14社が持っている「毎週/隔週/第◯週」という周期のどれにも収まりません。月に1回でも多いほうで、1〜2か月に1日というのが公式サイトの表記です。

さんぎょうい株式会社の登録フォームは、希望条件を「月曜日(AM)〜日曜日(PM)」の曜日×午前・午後の14マスで聞きます。曜日で聞く点だけは医療機関の定期非常勤と同じですが、そのマスで何回ぶんの勤務を想定しているかは書かれていません

つまり、産業医の求人を「非常勤」というくくりで探すと、勤務の実像とずれます。サイトの分類上は非常勤に見えても、1回60〜120分の訪問が1〜2か月に1度、という形の仕事があるからです。逆に「常勤」で探すと、専属産業医のほうにだけ当たります。専属は週3〜5日、企業との直接契約です。

スポットについては、産業医の文脈で意味が変わります。産業医を扱う16社のうちスポットを求人検索で選べるのは7社(Dr.アルなび医師バイトドットコムe-doctorm3.com CAREERDtoDコンシェルジュ医師キャリ日本医師会ドクターバンク)ですが、この7社のスポット検索で出てくるのは医療機関の1日バイトです。産業医専門2社が扱う企業の事業場の単発対応とは、探し方も勤務先も別物です。1日単位のスポットの全体像は医師のスポットバイト24社の記録にあります。

産業医の求人件数を単独で読み取れるのは16社中2社。41件と4件

産業医の求人が何件あるかを公式サイトの表示から読み取れるのは、16社のうち2社だけでした。判定に使ったのは kyujin です。

サービス 表示 確認日
m3.com CAREER こだわり条件別の「産業医」 41件 2026年8月20日
日本医師会ドクターバンク 産業医の求人検索『現在の求⼈件数 4 件』 2026年8月20日

この2つの数字を並べて比べてはいけません。m3.com CAREERの41件は同社のこだわり条件別の集計で、同社は「厳選された全国複数の医師紹介会社が求人を掲載している」プラットフォーム型です。トップの掲載求人数47,886件には41社の求人が入っており、そのうち6社はこの台帳に別々に載っている会社と同じ名前です(詳しくは医師の転職サイト24社の記録)。41件の中に、他社の産業医求人が重複して入っている可能性を排除できません。日本医師会ドクターバンクの4件は、同社の産業医専用の検索画面が返した件数です。

残る14社は、産業医の求人件数を単独で表示していません。産業医を絞り込んだあとの件数は画面に出ますが、それは検索した人だけが見る数字で、台帳が確認日の値として記録しているのは各社の常勤・非常勤・スポット別の総数です。

産業医専門の2社については、そもそも求人数の表示がありません。

  • エムステージの産業医求職支援サービス — 「求人検索の機能がなく、公開求人数の表示もない」。代わりに実績として「産業医紹介実績 1,400社 5,000事業場以上」「医療業界実績 22年以上」(いずれも「※自社調べ 2026年4月時点」)を掲げています
  • さんぎょうい株式会社 — 「求人検索の機能がなく、公開求人数の表示もない」。導入企業数・紹介実績の数字も公式サイトに明示なし

実績の数字と求人数は別物です。1,400社・5,000事業場は過去に紹介した累計で、いま募集がある案件の数ではありません。台帳はこの2つを同じ列に置かないように、kyujin の欄で「求人検索の機能がなく、公開求人数の表示もない」を先に書いてから実績の数字を書いています。

もう1つ、産業医の求人数と混ざりやすい数字があります。エムステージの企業向けサイトのトップにある「2,450社超が導入」です。台帳のメモには「企業向けトップの『2,450社超が導入』は健康経営トータルサポート全体の導入社数で、産業医紹介だけの数字ではない」と書いてあります。同じ会社のサイトの中でも、どのサービスの数字かで意味が変わります

e-doctorには、産業医に関係する数字がもう1つあります。運営会社の実績として「求人件数114,856件/医師紹介実績26,864件(2026年度)/病医院登録数39,843件/健診機関数878件/産業医依頼機関数445件(※2026年7月現在)」を公開しています。445件は依頼元の機関数であって、求人の件数ではありません

結局、産業医の求人がどれだけあるかを社どうしで比べられる材料は、台帳の中にありません。比べられるように見える数字はいくつもありますが、数えているものが全部違います。

産業医の求人特集を常設しているのは1社。Q&Aで産業医への転職サポートを明記したのも1社

絞り込み条件とは別に、産業医の求人を集めたページを持っている社があります。判定に使ったのは kaigyo / taiogai / support / kensaku です。

JMC は求人特集を9本持っており、その1本目が「産業医求人」です。9本の内訳は 産業医求人/精神科医求人/女性医師の転職支援/世田谷・クリニック/内視鏡医師求人/美容医療求人/透析求人/在宅医療求人/整形外科求人 で、開業のものはありません。産業医求人特集にはこう書かれています。

エリアは日本全国を担当しているため、企業の採用担当者や産業医のネットワークが多彩であり、いち早く産業医の求人情報が耳に入ります

同じページに「全国の産業医募集一覧を見る」のリンクがあります。この社の求人はすべて常勤で、非常勤・アルバイトは別サイト(mconnection.jp)に分かれています。つまりJMCで扱っている産業医は、常勤の側の産業医ということになります。

m3.com CAREER は「こだわり求人INDEX」という仕組みの中に産業医を持っています。確認日(2026年8月20日)の件数は41件でした。同じINDEXの他の項目は「年収1800万円可能」9,729件、「週4日、ゆったり勤務」6,613件です。ヘルプには「『こだわり求人INDEX』のテーマは、m3.com会員医師へのアンケートに基づいて設定されています」と書かれています。会員が挙げた希望条件の1つとして産業医が入っている、という置かれ方です。

医師転職ドットコム は、産業医への転職サポートも行うとQ&Aに明記しています。求人検索の科目にも産業医があり、社医と製薬企業も別々の区分になっている社です。

MRT は、会員限定コンテンツ6つの中に「産業医サービス」を置いています。6つは アルバイト紹介/転職支援サービス/医師賠償責任保険/産業医サービス/開業支援サービス/税理士紹介サービス です。前に書いたとおり、同社の産業医は求人検索の業務内容の側にあるので、台帳の16社には入っていません。

残りの社は、産業医だけを集めたページを持っていません。産業医の求人は、科目か施設区分か業務内容のチェックボックスを押して自分で一覧にする形になります。

報酬の数字を出しているのは16社中2社。嘱託産業医の金額を書いた社は1社もない

産業医の報酬について、金額を数字で書いている社は16社のうち2社です。判定に使ったのは nenshu です。

エムステージの産業医求職支援サービス は、専属産業医についてこう書いています。

年収 900~2,000万円

3~5日勤務 / 週

前置きも付いています。「産業医の報酬について 報酬金額は目安です。エリアや業務内容、職務経験等によって変動します」。

ところが嘱託産業医のほうは、金額が書かれていません。同じページで「報酬は案件により異なります」となっています。台帳の nenshu 欄は「嘱託(定期)の金額は公式サイトに明示なし」と記録しています。

日本医師会ドクターバンク は、サービスとしての相場は出していませんが、個々の求人票の給与欄に公式表記のまま金額が出ます。産業医の求人には「月給 1,000,000円」の表記もありました。これは1件の求人の表示であって、平均でも相場でもありません。

残る14社は次のとおりです。

  • さんぎょうい株式会社 — 「報酬・年収についての記載は公式サイトに明示なし。金額の目安を示すページは見当たらない」
  • 総合型の13社 — 産業医だけの報酬を書いた記載は見当たりませんでした。各社の年収の絞り込みは常勤の求人全体にかかるもので、産業医の求人に限った金額の帯ではありません

この記事は産業医の報酬相場を書きません。理由は3つあります。

  1. 相場を書いている社が16社の中に1社もない
  2. 求人票の金額を集めて平均を出すことはできますが、それは各社の掲載方針を平均しただけの数字になる
  3. 嘱託産業医については、いちばん近い立場にいる専門会社が「案件により異なります」としか書いていない

3つ目が重要です。産業医を専門に扱い、47都道府県で選任実績があると書いている会社が、嘱託の金額を数字にしていません。台帳がそれを上回る精度で書けるはずがありません。

利用者の平均年収についても、24社とも数字を出していません。これは産業医に限った話ではなく、台帳の24社に共通します(医師の転職サイト24社の記録の「利用者の平均年収を出しているサービスは1つもなかった」の節)。

なお、報酬の単位そのものが産業医では違います。医療機関の常勤は年収、定期非常勤は時給、スポットは「1回◯◯円」で書かれます(医師のスポットバイト24社の記録)。産業医専門の2社が使う単位は、専属が年収と週の勤務日数、嘱託が1回あたりの時間と、その頻度です。時給で書かれた産業医の報酬は、台帳の中に見当たりませんでした

登録前に産業医の案件を読めるのは14社中6社。専門2社では1件も読めない

産業医の求人を探すとき、登録する前にどこまで中身を読めるかは、社によってまったく違います。判定に使ったのは kensakuform です。

未ログインで求人票の中身まで読めることを台帳が確認できたのは、14社のうち6社でした。

サービス 未ログインで読める範囲
ドクターキャスト 求人票の年収・勤務条件まで。ただし医療機関名が伏せられている求人がある
DtoDコンシェルジュ 求人一覧を読める。詳細と非公開情報は会員登録が前提
医師キャリ 求人票の給与・勤務地・募集科目・業務内容まで
医師ジョブ 検索結果を読める
日本医師会ドクターバンク 求人票の勤務地・施設種別・募集科目・業務内容・曜日と時間・給与まで。応募には登録が必要
JMC 求人票の勤務地・科目・勤務内容・給与まで

残る8社は、未ログインでどこまで読めるかを台帳が確認していません。「読めない」ではなく「こちらが確認していない」なので、数に入れていません。

医療機関名が伏せられる仕組みを持つ社は3社あります。

  • ドクターキャスト — 「登録医に限定して医療機関名等を含む求人情報を提供する求人」があり、名称を確認するには医師登録が必要です。さらに「医療機関名が載っていない求人については、求人医療機関が、インターネット上での医療機関名提供を希望していない求人であり、電話でお問い合わせいただいてもお答えすることができません」と書いています
  • 医師バイトドットコム — ログインして医師免許証を提出すると、鍵アイコン付き求人の法人名が「実名公開中」になります。履歴書・身分証・医師免許証の3点提出で対象求人がさらに増えます
  • 医師転職ドットコム — 一部の非常勤求人は「ログイン中かつ医師免許証の提出がお済みの会員」に限り法人名を公開します

そして産業医専門の2社では、案件を1件も読めません。求人検索が無く、公開求人数の表示もないからです。エムステージの産業医求職支援サービスは「ご希望の産業医案件が発生次第、ご紹介します」、さんぎょうい株式会社は登録後にコーディネーターが調整する形です。

これは探す側にとって、決め方が根本的に変わるということです。総合型では「求人票を読んでから登録するか決める」ができますが、産業医専門の2社では登録してからでないと何も見えません。逆に言えば、この2社に登録するかどうかは、求人の中身ではなく会社の説明(実績・サポート・保険・契約形態)で決めることになります。この記事がその説明を長めに写しているのは、そこが判断材料のすべてだからです。

匿名で進める仕組みを明記している社もあります。医師キャリは「ご興味を持たれた医療機関には先に匿名経歴書にて交渉致します」、医師ジョブは「他の医療機関への打診の際にも、具体的な話が進むまで個人が特定できないよう匿名の経歴書を作成し、先生にご了承いただいた上で進めてまいります」、医師転職ドットコムは「面談まではすべて匿名で行います」、m3.com CAREERは「先生は匿名のまま、条件をカスタマイズ」と書いています。産業医専門の2社には、匿名の扱いについての記載がありません

登録フォームで産業医の資格と経験を必須で聞くのは1社。もう1社は経験を13の業務で聞く

登録フォームを見ると、産業医専門の2社が求職者の何を見ているかがはっきり出ます。判定に使ったのは form です。

エムステージの産業医求職支援サービス の会員登録フォーム(産業医データベースへ登録)の必須項目はこうです。

  • 氏名漢字(姓・名)/氏名カナ
  • 第1希望勤務エリア(47都道府県から選択)
  • 電話番号/メールアドレス
  • 医師免許取得年(1950年〜2026年から選択)
  • 産業医資格の有無(あり/なし)
  • 産業医経験の有無(あり/なし)
  • ご希望の働き方(専属産業医(常勤)/嘱託産業医(定期)/特になし・複数選択可)

任意は 第2希望勤務エリア/専門科目(自由記入。例示は「例)精神科、心療内科」)/業務開始可能時期/備考 です。

産業医資格の有無と産業医経験の有無を必須で聞く社は、24社の中でこの1社だけでした。そのうえで、生年月日・性別・住所を聞く欄がありません。臨床の転職サイトの登録フォームは生年月日と性別をほぼ必ず聞きます(医師の転職サイト24社の記録の登録フォームの節)。聞く項目が入れ替わっているということです。

さんぎょうい株式会社 は逆に、台帳で確認した中でもっとも入力項目が多い登録フォームでした。必須は お名前/フリガナ/性別/生年月日/メールアドレス/電話番号/郵便番号/住所/産業医経験/就業の時期/勤務形態/希望勤務地/お仕事情報メール配信の希望/個人情報の取り扱いへの同意 です。

任意の欄がさらに広く、経験の分類が診療科ではありません。「経験のある業務」は13区分です。

  1. 衛生委員会参加
  2. 職場巡視
  3. 健康診断事後措置(就業判定・面談)
  4. 長時間労働者面談
  5. ストレスチェック面談・高ストレス者対応
  6. 復職支援(復職判定・職場調整)
  7. メンタル不調者対応(休職・配置転換)
  8. 感染症対策(BCP含む)
  9. 過重労働対策の制度設計
  10. 健康施策企画(禁煙・特定保健指導等)
  11. 海外赴任・出張者対応
  12. 有害業務(化学物質・騒音・粉じん等)
  13. その他

「産業医経験」の年数も 無/1年以内/3年以内/5年以内/10年以内/11年以上 の6段階で聞きます。産業医の経験社数(「過去分も含めて入力ください」)という欄まであります。

さらに「アピールポイント」という欄があり、選択肢は 現場・管理職とのコミュニケーションが得意/メンタル対応の経験が豊富/休復職支援の制度設計に強い/安全衛生体制づくり(規程/運用)に強い/データ分析・施策提案に強い/オンライン面談・遠隔対応に慣れている/英語対応可能/その他 です。対応可能な言語も 英語/中国語/スペイン語/ポルトガル語/ヒンディー語/その他 で聞きます。

2社とも「専門科目」は自由記入です。エムステージは任意の自由記入(例示は精神科・心療内科)、さんぎょういも任意の自由記入。産業医の側では、診療科は選択肢ではなくメモ欄になります

総合型14社の側はこの逆です。登録フォームの中心は希望科目と希望勤務地で、産業医の資格や経験を聞く欄は台帳の記録の中に見当たりませんでした。産業医の希望を伝える手段があると台帳が確認できたのは、次の2社です。

  • DtoDコンシェルジュ — 「希望する転職・アルバイトの科目」が求人検索と同じ科目一覧に「職業別」の産業医・製薬会社を加えたもので、最大3件まで選べます
  • Doctor's Life Career — 求人検索の科目に産業医はありませんが、登録フォームの「医療機関規模」の選択肢に産業医があります(400床以上の病院/400床未満100床以上の病院/100床未満の病院/診療所/老人保健施設/産業医/希望なし/その他)

Doctor's Life Careerの扱いは、台帳のメモが理由まで書いています。「登録フォームの『医療機関規模』(400床以上の病院…診療所・老人保健施設・産業医)は入れていない」「この欄に『産業医』があるからといって産業医の一覧に出してはいけない」。登録フォームの選択肢を求人検索の社数に混ぜないという線を、ここでも引いています。だからこの社は産業医の一覧に入っていません。

美容医局にも同じ形があります。同社の登録フォームの「専門科目」(現在の専門)には産業医が入っていますが、これは求職者が今どの科目にいるかを聞く欄であって、産業医の求人を扱うという意味ではありません。求人検索の科目は美容外科と美容皮膚科の2つだけです。同じ「産業医」という語でも、どの欄に付いているかで意味が正反対になります

勤務先の業種を聞くのは専門2社だけ。総合型14社にとって企業は施設区分の1つ

産業医の勤務先は企業の事業場です。総合型14社と専門2社では、その企業をどこまで細かく扱うかが違います。判定に使ったのは shisetsuform です。

総合型14社にとって、企業は施設区分の中の1つです。書き方は社ごとに違います。

サービス 企業にあたる施設区分の表記
ドクタービジョン 企業
Dr.アルなび 企業
Dr.転職なび 企業
ドクターキャスト 企業(産業医)/企業(製薬)
m3.com CAREER 産業医(企業)/製薬企業
DtoDコンシェルジュ 職業別のグループに 産業医/製薬会社
医師バイトドットコム 企業
医師転職ドットコム 企業
医師キャリ 一般企業/製薬企業
医師ジョブ 施設区分に企業の項目なし(科目の「産業医・企業系」で拾う)
ジョブメドレーエージェント 医師 企業・会社/生命保険会社/製薬企業/保健所/刑務所ほか17区分
e-doctor 医療機関以外での勤務
日本医師会ドクターバンク 施設区分の絞り込みなし
JMC 施設区分の絞り込みなし

e-doctorだけ言い方が違います。「企業」という区分を持たず、「医療機関以外での勤務」という書き方をしています。同社の施設区分8つは 大学病院/国公立・公的・自治体病院/臨床研修指定病院/後期研修施設/民間病院/グループ病院/クリニック・診療所/医療機関以外での勤務 で、研修の段階で切っている点も他社と違います

ジョブメドレーエージェント 医師の17区分がいちばん細かく、企業・会社のほかに 生命保険会社/製薬企業/保健所/刑務所/発達医療センター/地域医療センター まで並びます。ただしこの17区分の中に「産業医」という語はありません。同社の産業医は科目の側にあります。

どの社も共通しているのは、企業を1つか2つの区分でしか扱っていないことです。製造業なのかIT企業なのか、従業員が何人の事業場なのかは、求人検索の条件になっていません。

専門2社は、ここを細かく聞きます

エムステージの産業医求職支援サービス は「紹介可能な業種」を 製造業/サービス業/卸・小売業/情報通信業/金融保険業など と書いています。業務内容の説明も具体的です。

契約企業の事業場で労働者の健康管理を実施します。健康診断後の就労判定業務、面接指導の実施、健康教育、健康相談、労働衛生教育など

さんぎょうい株式会社 は「経験業種・業界(複数選択可)」を11区分で聞きます。

製造/建設/運輸・物流/小売・サービス/飲食/医療・福祉/IT・通信/金融・保険/教育/官公庁・自治体/その他

同社は企業向けサービスに「小規模事業場向け」があり、その説明は「ストレスチェック、産業医面談、健診事後措置など、50名未満でも法定要件をカバー」です。医師側のページにも、企業からの依頼例として「50名未満の事業場も見て欲しい」が挙がっています。「50名未満」という言葉が出てくるのは、24社の中でこの社だけでした。

この記事は、その50名という数字が何の要件なのかを書きません。人数の要件を書くなら条文名を添えるべきで、24社の公式サイトを読んだ台帳の中に条文の引用が無いからです。さんぎょうい株式会社が「50名未満でも法定要件をカバー」と書いている、という事実だけを写しました

まとめると、同じ「産業医の求人」でも、探せる粒度が2段階違います

  • 総合型14社 — 勤務先は「企業」まで。診療科と勤務地で絞り込む
  • 専門2社 — 勤務先を業種で聞き、経験を産業保健の業務単位で聞き、診療科は自由記入

産業医は複数の事業場を担当することが前提。11事業場という事例が載っている

医療機関の求人では、他社との併用や掛け持ちの可否が話題になります(医師のスポットバイト24社の記録の「掛け持ちの可否と、紹介会社の併用の可否は別の話」の節)。産業医専門の2社では、そもそも複数を担当することが前提になっています。判定に使ったのは fukusutokuchou です。

エムステージの産業医求職支援サービス は、他社との併用・複数登録の可否を書いていません。ただし選任先を増やすことを前面に出しています。同社が想定する相手は3つです。

  • 嘱託産業医として選任の企業数を増やしたい
  • キャリアアップのために、嘱託産業医の経験も積んでおきたい
  • 体力面の不安などから勤務医の仕事よりも嘱託産業医の仕事を増やしたい

掲載されている事例も、担当先が増える形のものです。「1社の複数事業場での案件を紹介してもらい」「同じ企業で11事業場の案件提案をもらった」(神奈川県・11事業所)、「初めて紹介会社を利用したところ、利用月に2社の選任が決まった」(東京都・2事業場)。選任後の運用についても「専任コンサルタントがつくから 選任先が増加しても、企業とのコミュニケーションがスムーズに行えます」と書いています。

さんぎょうい株式会社 も同じ前提です。他社との併用の可否は書いていませんが、登録フォームに「産業医の経験社数(過去分も含めて入力ください)」という欄があります。経験を「何社ぶんか」で聞く欄を持つのは、24社の中でこの社だけでした。

この「数える単位」が、臨床の求人と決定的に違うところです

  • 医療機関の常勤は、勤務先が1つ
  • 定期非常勤は、曜日の数で数える(週◯曜日)
  • スポットは、日付の数で数える
  • 嘱託産業医は、選任されている企業と事業場の数で数える

だからエムステージの産業医求職支援サービスの実績も「産業医紹介実績 1,400社 5,000事業場以上」と、社数と事業場数の2つで書かれています。1社の中に複数の事業場があり、事業場ごとに産業医が要る、という構造がそのまま数字に出ています。

ただし、1人の医師が何社まで受けられるかについては、どちらの社も書いていません。上限があるのか無いのか、公式サイトの記載からは分かりません。

臨床側の併用については、24社のうち6社が何かを書いており、求職者側の不利益に触れたのはドクタービジョンだけでした(医師の転職サイト24社の記録)。産業医専門の2社は、この6社に入っていません

地域で絞るとき、ブロックの名前が「関西」5社と「近畿」6社に割れる

産業医の求人を地域で絞り込むとき、実際に押すのは勤務地の欄です。産業医の絞り込みと勤務地の絞り込みは同じ検索フォームの中にあるので、掛け合わせられます。

ところがブロックの名前が社によって違います。産業医を選べる14社のうち、勤務地ブロックの名前が台帳に記録されているのは12社で、その内訳がこうです。判定に使ったのは taiogai です。

ブロックの名前 社数 サービス
関西 5社 ドクターキャスト/Dr.アルなび/DtoDコンシェルジュ/JMC/ジョブメドレーエージェント 医師
近畿 4社 ドクタービジョン/Dr.転職なび/医師キャリ/m3.com CAREER
近畿を含む別の言い方 2社 医師バイトドットコム(近畿圏)/医師ジョブ(近畿地方)
ブロックを持たない 1社 e-doctor(47都道府県+海外と、沿線から探す)

「近畿」という語を名前に含むのは、表記のゆれを合わせて6社です。「関西」の5社と合わせると11社になり、同じ地域が2通りの名前で呼ばれています。大阪府や兵庫県の求人を探すとき、押すボタンの名前が社によって変わるということです。

記録がないのは2社(医師転職ドットコム日本医師会ドクターバンク)です。医師転職ドットコムはエリア別求人特集が47都道府県すべてを列挙する形、日本医師会ドクターバンクはブロック名が台帳に記録されていません。「書いていない」ではなく「こちらが確認していない」なので、数に入れていません

ブロックの区切り方そのものも揃いません。ドクタービジョンは 北海道/東北/関東/甲信越・北陸/東海/近畿/中国/四国/九州・沖縄 の9つ、DtoDコンシェルジュは 北海道・東北/関東(首都圏という小分類あり)/甲信越・北陸/東海/関西/中国/四国/九州・沖縄 の8つ、JMC東京都だけ23区を個別に列挙したうえで 関東/関西/東海/九州/北海道(札幌・道央・道北・道東・道南に分割)/東北/甲信越/北陸/中国/四国/沖縄 と並べます。

都道府県より細かく絞れる社もあります

産業医専門の2社は、勤務地の粒度が総合型と違います

  • エムステージの産業医求職支援サービス — 登録フォームの希望勤務エリアは47都道府県から第1希望(必須)と第2希望(任意)。「47都道府県 全エリアで選任実績あり」と書いています
  • さんぎょうい株式会社 — 登録フォームの「希望勤務地(複数選択可)」は 北海道/東北/関東/中部/近畿/中・四国/九州/沖縄/全国(希望なし) の9区分。「全国(希望なし)」という選択肢を持つ点が他社と違います

さんぎょういの「全国(希望なし)」は、地域を決めずに登録できるということです。産業医の案件は事業場ごとに発生するので、先に地域を決めるより、決めないでおくほうが合う場合があるという設計に見えます。ただしこの選択肢の意図は公式サイトに書かれていません

「東京の産業医求人」「大阪の産業医求人」といった件数は、この記事には書けません。産業医を絞り込んだあとの都道府県別の件数を表示している社が、台帳の記録の中に無いからです。Dr.アルなびだけはエリア別の内訳を出していますが(定期アルバイトが 北海道・東北122/関東550/中部111/関西245/中国・四国130/九州・沖縄160、確認日は2026年8月20日)、これは定期アルバイト全体の件数で、産業医の件数ではありません

拠点は東京1か所から7か所まで。ただし専門2社とも対応エリアは全国と書いている

産業医専門の2社は、会社としての拠点の数が正反対です。判定に使ったのは uneitaiogai です。

それでも2社とも全国を掲げています。エムステージは「47都道府県 全エリアで選任実績あり」、さんぎょういはトップページのタイトルが「全国の産業医紹介・安全衛生活動の総合支援」です。

ただし、さんぎょういについては台帳が但し書きを付けています。「『全国』の根拠はトップページのtitleタグ『全国の産業医紹介・安全衛生活動の総合支援』と、登録フォームの希望勤務地に全8エリア+『全国(希望なし)』があること。本文中に『全国対応』と書いた箇所は見当たらなかった」。どこに書いてあったかまで残さないと、次に読む人が確かめられません

総合型14社の拠点も、台帳に記録があるものを並べておきます。

サービス 台帳に記録されている拠点
ドクタービジョン 札幌/東北/大宮/船橋/東京/横浜/名古屋/京都/大阪/神戸/広島/九州 の12支店
Dr.アルなびDr.転職なび 東京・札幌・仙台・名古屋・金沢・大阪・福岡 の7か所
DtoDコンシェルジュ 有料職業紹介事業のページの事業所所在地が 札幌・東京・大阪・福岡 の4か所
医師バイトドットコム 札幌・仙台・東京本部・名古屋・大阪・広島・福岡 の7か所
医師転職ドットコム 札幌・東京・名古屋・大阪・福岡 の5オフィス
医師キャリ 大阪(本社)・東京・福岡・名古屋・さいたま の5か所
ジョブメドレーエージェント 医師 名古屋支社・大阪支社・福岡支社
m3.com CAREER 東京オフィス・大阪オフィス
JMC 会社概要は東京本社・名古屋支社の2つ。よくある質問は「オフィスは東京(千代田区)、名古屋(西区)、福岡(博多区)にあります」

ここで2つ、数字の食い違いが出ています

1つ目はJMCです。会社概要の2拠点と、よくある質問の3拠点が一致しません。会社概要は千代田区と名古屋市中区、よくある質問は千代田区・名古屋市西区・福岡市博多区です。台帳はどちらも直さずに両方書いています。

2つ目は同じ運営会社の2サイトで拠点の数が違うことです。医師バイトドットコム医師転職ドットコムはどちらも株式会社メディウェルですが、前者は7か所、後者は5オフィスと書いています。どちらも公式サイトの表記のままです

そして、いちばん大事な但し書きがこれです。会社の拠点がある場所と、産業医の求人がある場所は別です。拠点が東京1か所のさんぎょうい株式会社は全国の産業医紹介を掲げ、12支店を持つドクタービジョンの産業医は科目の1つです。拠点の数を求人の多さの代わりに読まないでください。台帳もそういう読み方はしていません。

産業医を別サイトや別事業に分けている運営会社が4つ。台帳に別で載っているのは1つだけ

産業医は、運営会社の側で別サイトや別事業に切り出されていることが多い分野です。判定に使ったのは tokuchouunei です。

運営会社 台帳に載っている医師向けサイト 産業医の置き場所
株式会社エムステージ Dr.転職なびDr.アルなび 別サービスとしてエムステージの産業医求職支援サービス(台帳に別枠で掲載)
株式会社リンクスタッフ e-doctore-hijyokin 産業医求人「e-産業医」という別サイト
MRT株式会社 MRT 産業医向けの別サイト sangyoi.medrt.com
株式会社メディカルリソース ドクタービジョン 事業内容の「ヘルスケア事業(産業医と産業保健師の紹介・依頼・業務サポート)

4つとも、医師向けの求人サイトとは別のところに産業医を持っています

株式会社エムステージのサービス整理は公式サイトにそのまま書かれています。「エムステージの医師向けサービスは 医師求職支援/病院事務職求職支援/産業医求職支援/健康経営トータルサポート/医業承継サポート、メディアは Dr.転職なび/Dr.アルなび/Sanpo Navi」。産業医求職支援がメディアではなくサービスの側に立っています。同社の事業内容も「事業所向け産業保健支援/医療人材総合サービス」の2本です。

株式会社リンクスタッフの並べ方も同じ形です。「医師求人『e-doctor』/産業医求人『e-産業医』/製薬企業医師求人『m-doctor』/医師アルバイト求人『e-hijyokin』…」。非常勤・産業医・製薬企業をそれぞれ別サイトに分けています

MRTの産業医向けサイトには「業界トップクラスの紹介実績と信頼」「メンタルヘルスに精通した経験豊富な産業医のネットワーク」「24時間365日対応」と書かれています。同社は会員限定コンテンツ6つの中にも「産業医サービス」を置いています。

ドクタービジョンを運営する株式会社メディカルリソースの事業内容は「医師事業(医師の人材紹介)/ヘルスケア事業(産業医と産業保健師の紹介・依頼・業務サポート)/薬剤師事業/メディカルスタッフ事業」で、産業医が独立した事業になっています

ここで台帳の掲載単位の話になります。この台帳が載せているのはサイトであって、グループ会社でも事業でもありません。だから4つのうち台帳に別枠で載っているのは、エムステージの産業医求職支援サービス1つだけです。e-産業医もsangyoi.medrt.comもメディカルリソースのヘルスケア事業も、台帳の24社には入っていません

これは掲載条件の問題であって、扱っていないという意味ではありません。産業医の求人を探すときは、台帳に載っている16社の外側に、同じ会社が別サイトで持っている産業医の窓口があることを頭に入れておいたほうがよいということです。この記事の社数は、あくまで台帳に載っている24社を分母にした数字です。

保険の記載は産業医側が厚い。3種類を明記したのは1社

産業医の側では、保険についての記載が臨床の求人サイトより厚くなります。判定に使ったのは support です。

さんぎょうい株式会社 は3種類を明記しています。

労働保険の労災保険が適用できます(一部の契約形態は除く)

個人情報漏洩保険に加入しています(産業医も対象範囲)

弊社負担で産業医向け賠償責任保険にも加入できます(ご希望者のみ)

3つとも産業医の業務に紐づいた保険です。同社が医師向けページに並べている悩みの中には「訴訟リスクが高まり不安・・・専門家の意見も聞きたい/判例や他社事例が知りたい/自宅の住所や連絡先を知られたくない/個人情報漏洩のリスクが心配」があり、保険の記載はこの悩みに対応する形で置かれています。

同社はさらに「先生方の専門外の相談や依頼についても対応いただけるように医療機関・保健師・臨床心理士・社労士などとも連携する体制を整えています」と書いています。社労士が出てくるのは24社の中でこの社だけでした。

臨床側で保険に触れているのは2社です。

  • MRT — 会員限定コンテンツの1つが「医師賠償責任保険」で、「アルバイト勤務も対象の医師賠償保険をご用意しております」と書いています。アルバイト勤務を明示して保険に触れているのはこの社だけでした
  • 民間医局 — 登録フォームの1問目「ご希望のサービス」に「医師賠償責任保険・団体長期障害所得補償」が求人紹介と並んで置かれています

エムステージの産業医求職支援サービスには保険の記載がありません。代わりに契約と事務のサポートを前面に出しています。「エムステージが産業医と企業間をサポートするので、複雑な契約手続きは不要です」「契約後は専門の資格を持つスタッフが企業のニーズと医師の業務をサポート」。登録医師の声としては「衛生委員会の各種ひな形の提供など、充実のサポートで安心して働くことができました」を掲載しています。

2社の押し出し方は違います。さんぎょういはリスクの引き受け(保険と連携体制)、エムステージは事務と交渉の代行(契約手続きと条件交渉、最新情報の提供)です。どちらが良いという話ではなく、同じ産業医専門でも、書いている内容が重なっていないということです。

さんぎょういの設立の経緯は、取締役会長で産業医の塩谷賢一による長文が掲載されています。

産業医活動を始めてみると、その業務は想像以上に多岐に渡り、処理や対応に費やす手間と時間は多大なものでした

『産業医をしているが、事務作業量を軽減したい』『産業医を請けたいが時間が無い』という話をよく耳にするようになります

産業医の実務のうち、診療でない部分が重いという前提が、両社の説明に共通して出てきます。ただしそれが具体的にどれくらいの負担なのかを数字にした記載は、どちらの社にもありません

登録してから紹介が来るまでの流れ。専門2社はどちらも担当者1人が付く形

産業医専門の2社は求人検索を持たないので、登録したあとの流れが判断材料になります。判定に使ったのは supportrenraku です。

エムステージの産業医求職支援サービス は4ステップで書いています。

  1. 産業医データベースへ登録
  2. ヒアリング・面談 — 専任コンサルタントが希望条件をヒアリング
  3. 募集情報のご紹介/応募・面接 — 「ご希望の産業医案件が発生次第、ご紹介します。応募の意思を確認後、こちらでエントリー。企業側との面接日程の調整や対策も行います」
  4. ご契約・専任 — 「産業医勤務開始後も、専任担当者が業務のサポートを行います」

3つの強みとして挙げているのは、最新の産業医紹介の募集情報から希望に合った案件を紹介すること、契約から条件交渉までを任せられること(「エムステージが産業医と企業間をサポートするので、複雑な契約手続きは不要です」)、産業医業務のための最新情報を提供すること(「人事・労務、関連法律、行政や制度についてなど」「必要に応じて提携している産業医研修会などもご紹介」)の3つです。

さんぎょうい株式会社 は、流れの図ではなく医師の悩みの形でサポート内容を列挙しています。

  • 「資格は取ったけれど・・・仕事の始め方がわからない/企業の要望がよくわからない/産業医として求められることは?/衛生委員会では何をするの?/それぞれの面談目的とは?/他の先生はどのようにやっているのか?」
  • 「とにかく忙しい!勤務中、企業からの問合せに対応できない/契約条件や料金交渉など煩わしい/事務処理が煩わしい/スケジュール調整が煩わしい/衛生委員会で使う資料を集めて欲しい
  • 「訴訟リスクが高まり不安・・・専門家の意見も聞きたい/判例や他社事例が知りたい/自宅の住所や連絡先を知られたくない/個人情報漏洩のリスクが心配」

2社とも、担当者が1人付く形です。エムステージは「専任コンサルタント」、さんぎょういは「コーディネーター」と呼びます。

連絡の手段も並べておきます。

項目 エムステージの産業医求職支援サービス さんぎょうい株式会社
電話 03-6697-1660 03-6304-5560(FAX 03-6304-5565)
受付時間 平日9〜18時 / 全国対応 公式サイトに明示なし
登録の入口 登録フォーム1本(ボタンは「\専任コンサルタントと今すぐ面談/ 産業医データベースへ登録」) 登録フォーム1本(「産業医の皆さまのご登録はこちら」)
LINE 記載は見当たらない 記載は見当たらない
連絡の頻度 公式サイトに明示なし 公式サイトに明示なし

2社とも、電話番号とメールアドレスの両方を登録フォームで必須にしています。さんぎょういは加えて「弊社からの産業医お仕事情報メール配信」を希望するかどうかを必須で選ばせます

連絡の頻度を書いている社は、24社の中で1つも見つかっていません。これは産業医に限った話ではありません。

総合型の側では、日本医師会ドクターバンクだけが逆のことを書いています

産業医/スポットでのご希望条件を登録された場合は、コーディネーターからご連絡いたしませんので、新着求人のお知らせやホームページ検索よりお問い合わせください

産業医で登録しても連絡は来ない、と先に書いているわけです。同社は面談の同行・同席も行わないと明記しており(「見学やオンラインも含め、面談の同行・同席は行っておりません」)、労働契約についても「労働契約の締結は医師と求人施設で直接行っていただきます」としています。手数料が無料である代わりに、間に入る度合いが小さいという形です。

ストレスチェックを科目の区分に持つのは2社。どちらも同じ運営会社

産業医の業務をさらに細かい単位で絞り込める社があります。判定に使ったのは shinryokaKensakushisetsu です。

「ストレスチェック関連」を科目の区分に持つのは2社で、Dr.アルなびDr.転職なびです。どちらも株式会社エムステージで、2社とも「産業医関連」の直後に置いています。同じ運営会社が産業医求職支援サービスを別に持っていることを考えると、産業医の業務を2つに割る発想が、臨床側のサイトにも降りてきている形に見えます。

Dr.アルなびはさらに、仕事区分(日勤帯)にも2つ置いています。

  • 産業医業務
  • 労働者への面接指導

「労働者への面接指導」を独立した仕事区分にしているのは、24社の中でこの1社だけでした。姉妹サイトのDr.転職なびの「仕事の内容」10項目は 外来診療/病棟管理/心カテ/内視鏡検査/オペ/在宅診療(個人宅)/訪問診療(施設)/健康診断/救急対応/産業医業務 で、こちらには面接指導がありません。同じ運営会社の2サイトで、産業医の業務の割り方が違います

比べる相手として、産業医専門のさんぎょうい株式会社が経験を聞く13区分をもう一度置きます。

衛生委員会参加/職場巡視/健康診断事後措置(就業判定・面談)/長時間労働者面談/ストレスチェック面談・高ストレス者対応/復職支援(復職判定・職場調整)/メンタル不調者対応(休職・配置転換)/感染症対策(BCP含む)/過重労働対策の制度設計/健康施策企画(禁煙・特定保健指導等)/海外赴任・出張者対応/有害業務(化学物質・騒音・粉じん等)/その他

総合型でいちばん細かいDr.アルなびの2区分に対して、専門社は13区分です。ただし向きが逆です。Dr.アルなびの2区分は求人を絞り込むための条件、さんぎょういの13区分は求職者の経験を聞くための欄です。同じ粒度の言葉でも、求人側に付いているのか求職者側に付いているのかで意味が変わります

エムステージの産業医求職支援サービスの企業向けサービス「健康経営トータルサポート」の中身も並べておきます。産業医紹介/産業保健師紹介/オンライン産業医面談/健康診断予約代行/健康管理システム/予防接種/ストレスチェック/メンタルヘルス研修/復職支援/健康経営コンサルティング。医師向けの求職支援ページは、この企業向けサービスと同じサイトの中に置かれています。台帳のメモには、医師向けの入口が2つあること(サービスサイト内のページと、ほぼ同内容のランディングページ)も記録されています。

産業保健師という職種が出てくるのも産業医の周辺です。ドクタービジョンを運営する株式会社メディカルリソースのヘルスケア事業も「産業医と産業保健師の紹介・依頼・業務サポート」で、産業医と産業保健師が対になっています。医師向けの求人サイトの側では、産業保健師は出てきません

産業医16社と健診16社が重なるのは12社。産業医だけに出るのは4社

産業医と健診は、どちらも「医療機関の外来・病棟ではない働き方」として並べられがちです。台帳ではこの2つを別の切り口として持っています。判定に使ったのはどちらも shinryokaKensaku / shisetsuKensaku / senmonRyouiki です。

同じ16社ですが、中身は同じではありません。両方に載っているのは12社です。

  • ドクターキャスト/Dr.アルなび/Dr.転職なび/e-doctor/医師バイトドットコム/医師キャリ/医師ジョブ/医師転職ドットコム/日本医師会ドクターバンク/JMC/ジョブメドレーエージェント 医師/m3.com CAREER

産業医にだけ載っているのは4社です。

上の2社が落ちる理由は、この記事の最初に書いたことと同じ形です。健診を扱っていないのではなく、健診が判定欄の外側(業務内容の軸)にあるので拾えない、というだけです。DtoDの台帳メモにはこう書いてあります。「『健診』を判定欄に入れなかった。DtoDでは健診が『勤務内容』(外来・病棟・手術と同じ並び)にあり、施設区分でも科目でもない。ここを拾い始めると『外来』『病棟』まで科目扱いになるため線を引いた。結果としてDtoDは健診の一覧に出ない」。

健診にだけ載っているのは4社です(Doctor's Life Careere-hijyokinMRTマイナビDOCTOR)。このうちMRTとマイナビDOCTORは、前の節で見たとおり産業医を業務内容の軸に持っている社です。健診は科目や施設区分の側にあるので健診の一覧には出て、産業医は業務内容の側にあるので産業医の一覧には出ない、という形になっています。

同じ社の中で、切り口ごとに現れたり消えたりします。これは台帳の不備というより、公式サイトが項目をどの軸に置いたかがそのまま出ていると読んだほうが正確です。

健診と産業医は仕事の中身も別です。健診は医療機関や健診センターで受診者を診る仕事、産業医は企業の事業場で労働者の健康管理を行う仕事で、エムステージの産業医求職支援サービスの業務内容の説明も「健康診断後の就労判定業務、面接指導の実施、健康教育、健康相談、労働衛生教育など」です。健康診断そのものではなく、その後の判定と面談が産業医の側に書かれています。

なお、美容を扱う19社との比較も1つだけ書いておきます。美容は専門2社(美容医局ドクターコネクト)が科目の側に美容を持っているので、科目まで見れば一覧に載ります。産業医の専門2社は科目そのものを持ちません。だから美容は senmonRyouiki が無くても19社になり、産業医は senmonRyouiki が無いと14社になります。同じ「専門会社が消える問題」でも、消え方の深さが違います

産業医専門2社の運営者情報。派遣の許可番号まで出しているのは16社中7社

求人検索が無い会社を選ぶときは、会社そのものの情報が判断材料になります。産業医専門2社の運営者情報を、公式サイトの表記のまま並べます。判定に使ったのは unei です。

項目 エムステージの産業医求職支援サービス さんぎょうい株式会社
運営会社 株式会社エムステージ さんぎょうい株式会社(英語表記:Sangyoui,Inc.)
設立 2003年5月 2005年11月10日
資本金 5,000万円 3,300万円
代表者 代表取締役 杉田雄二 代表取締役社長 芥川奈津子/取締役会長 塩谷賢一(産業医)
所在地 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 5F 東京都新宿区西新宿二丁目四番一号 新宿NSビル6階
有料職業紹介事業 厚生労働大臣許可 13-ユ-010928 13-ユ-306156
労働者派遣事業 公式サイトに明示なし 一般労働者派遣事業 派13-304501
電話 03-6697-1660(受付時間 平日9〜18時 / 全国対応) 03-6304-5560(FAX 03-6304-5565)

2つ、気づいたことを書いておきます

1つ目。さんぎょうい株式会社は、有料職業紹介事業の許可番号と並べて労働者派遣事業の許可番号も掲載しています。これは同社に限りません。産業医を扱う16社のうち、派遣の許可番号まで公式サイトに出しているのは7社でした(ドクタービジョンe-doctor医師バイトドットコム医師キャリ医師ジョブ医師転職ドットコム/さんぎょうい株式会社)。

このうち医師バイトドットコムだけは、何のための派遣かを書いています。台帳の記録は「労働者派遣事業許可 派01-300768(2018年2月 薬剤師の派遣事業開始 / 医師の派遣ではない)」で、「医師の派遣を行うという記載は公式サイトに見当たらない」とも書かれています。残る6社については、その派遣の許可が誰を派遣するためのものかを台帳が確認していません

なお、「一般労働者派遣事業」という書き方をしている社が2社あります。さんぎょうい株式会社(一般労働者派遣事業 派13-304501)と医師キャリ(一般労働者派遣許可番号一般:27‐301094)です。台帳の note 欄には、2社とも「2015年の法改正で廃止された区分名がそのまま残っている」というメモが付いています。この記事は、それが何を意味するかは書きません。台帳が確かめたのは、確認日の公式サイトにその表記があった、というところまでだからです。

許可番号そのものが見当たらない社も2社あります日本医師会ドクターバンクは「厚生労働省の指定を受けた職業紹介事業」という表記のみで、有料職業紹介事業の許可番号にあたる表示が見当たりませんでした。m3.com CAREERは、設立年・資本金・許可番号のいずれも、確認日に到達できた公式ページに明示がありませんでした。別の形のずれもありますジョブメドレーエージェント 医師は、同じ会社の中で許可番号が2通り書かれています(運営会社サイトの「事業許可内容について」は13-ユ-319758、サービス側のQ&Aは13-ユ-080058)。

2つ目。さんぎょうい株式会社は「取扱い職種の範囲の明示」を求職者向け・求人者向けのPDFで公開しています。事業内容も細かく、労働安全衛生法規業務の受託と運営/産業医選任(嘱託・専属)と産業医サポート業務/安全衛生委員会の運営サポート/企業内の安全衛生、過重労働対策、メンタルヘルス対策等のデザインと運営/労働基準監督署への対応/両立支援・健康経営・ダイバーシティ等の体制構築・ソリューション提供 の6つです。

取締役会長が産業医であることを公表している社は、24社の中でこの1社だけでした。設立の経緯も本人の言葉で長文が掲載されています。

株式会社エムステージのほうは、事業内容が「事業場向け健康経営支援、医療人材総合サービス(厚生労働大臣許可13-ユ-010928)」の2本です。産業保健の側が先に書かれています。医師向けサービスの整理も前の節に書いたとおりで、産業医求職支援が独立したサービスとして立っています。

なお、台帳の24社のうち運営者が株式会社でないサービスは3つあります(医師の転職サイト24社の記録)。産業医を扱う16社の中では日本医師会ドクターバンク(公益社団法人日本医師会)がそれにあたります。同社は厚生労働省の指定を受けた職業紹介事業で、「情報登録から紹介・成立まで、求人施設、求職者共にすべて無料で利用できます」と書いています。求人施設の側も無料と書いている点が、ほかの社と違います。たとえば医師転職ドットコムは「私たちのビジネスは、医療機関から採用支援費・採用コンサルティング費として、費用をいただいています」、DtoDコンシェルジュは「求職者の方からは、一切申し受けません。求人者の方からは、就職が決定した場合には、紹介手数料として当該求職者の年間賃金の100.0%を限度とする額を申し受けます」と書いています。求職者が無料なのは共通でも、医療機関の側の負担が違います。手数料の率や実額の公開状況は医師の転職サイト24社の記録にまとめてあります。産業医の求人が確認日で4件と少ないのは事実ですが、費用の話は件数とは別です。

産業医の求人を16社で探すときに、最初に決める3つのこと

ここまでの数字を、探す側の手順に並べ直します。どこがいいかは書きません。決めるべきことが3つある、という話です。

1つ目。専属か嘱託かを先に決めるかどうか

決めてから探す場合、その区分で絞り込める求人検索は日本医師会ドクターバンクの1つだけです(確認日の該当は4件)。専門2社は登録フォームで希望として伝えられます。残る13社では、産業医の求人を絞り込んだあとに求人票を1件ずつ読んで判断することになります

嘱託の勤務の単位は、エムステージの産業医求職支援サービスの表記で「1日勤務 / 12ヶ月」「1回 / 60120分」。専属は「35日勤務 / 週」「年収 9002,000万円」です。この数字は同社の目安であって、業界の相場ではありません

2つ目。求人検索から入るか、登録フォームから入るか

  • 求人検索から入る — 14社。産業医の求人を、勤務地や勤務形態と掛け合わせて自分で一覧にできます。ただし産業医は科目一覧の後ろ(いちばん前でも45区分中39番目)にあり、社によっては科目ではなく施設区分や業務内容の側にあります
  • 登録フォームから入る — 産業医専門の2社はこれしかありません。産業医資格の有無・産業医経験の有無・経験のある業務・経験業種を先に聞かれます。求人の一覧を自分で見ることはできません

この2つは排他ではありません。ただし、求人検索の絞り込みだけを使って会社を選ぶと、専門2社は最初から候補に入りません。この記事がいちばん伝えたいのはここです。

3つ目。地域をどこまで先に決めるか

勤務地のブロック名は「関西」5社と「近畿」6社に割れます。都道府県より細かく絞れるのは、市区町村まで持つ1社、都心・郊外で分ける2社、沿線で探せる1社、通勤時間で指定できる2社です。産業医専門の2社は、47都道府県から2つまで選ぶ形と、8エリア+「全国(希望なし)」から選ぶ形に分かれます。

「東京の産業医求人が何件あるか」を、この台帳は持っていません。産業医を絞り込んだあとの都道府県別の件数を出している社が無いためです。

最後に、この記事の社数を1行でまとめ直しておきます

問い 答え 見た欄
産業医を扱うと公式サイトに書いているのは 24社中16社 shinryokaKensaku / shisetsuKensaku / senmonRyouiki
求人検索の科目か施設区分で産業医を選べるのは 24社中14社 shinryokaKensaku / shisetsuKensaku
業務内容の軸まで含めて、求人検索で産業医を選べるのは 24社中17社 上の2欄+shisetsu / kensaku の散文
求人検索そのものを持たないのは 24社中3社(うち2社が産業医専門) 3つの判定欄がすべて空
専属と嘱託で求人を絞り込めるのは 24社中1社 koyou
産業医の求人件数を単独で読み取れるのは 16社中2社 kyujin
産業医の報酬を数字で書いているのは 16社中2社 nenshu

この記事で書かなかったもの

最後に、書けなかったものと、書かないと決めたものを並べます。

産業医の選任義務の人数要件は書いていません。24社の公式サイトを読んだ台帳の中に、条文を引用した記載が1件も無かったからです。近いところまで書いているのはさんぎょうい株式会社の「小規模事業場向け(ストレスチェック、産業医面談、健診事後措置など、50名未満でも法定要件をカバー)」だけで、これは同社のサービス説明であって条文の説明ではありません。人数の要件を書くなら条文名が要ります。条文名を確かめずに書けば、この台帳がいちばん避けたい種類の間違いになります。

産業医の資格要件も書いていません。研修の修了や認定の種類について、24社の公式サイトを読んだ記録の中に定義の説明が見当たりませんでした。エムステージの産業医求職支援サービスの登録フォームが「産業医資格の有無」を必須で聞いている、という事実までが台帳の記録です。何をもって「あり」とするかは書かれていません

産業医の報酬相場は書いていません。相場を書いた社が16社に1社もなく、求人票の金額を集めて平均を出しても、それは各社の掲載方針を平均しただけの数字になります。この記事に出てくる金額はすべて、1件の求人か1社の目安の表記です

「産業医が未経験でもなれるか」には答えていませんさんぎょうい株式会社の登録フォームに「経験なし」「産業医経験 無」の選択肢があり、エムステージの産業医求職支援サービスは「産業医としての業務がはじめての方も、安心してスタートできます」と書いています。選択肢と文言はここまで確認できましたが、実際に未経験で決まるかどうかは公式サイトの記載からは分かりません

都道府県別の産業医の求人件数は出せませんでした。産業医を絞り込んだあとの地域別件数を表示している社が無いためです。

専属と嘱託それぞれの求人件数も出せませんでした。この2つで絞り込める求人検索が日本医師会ドクターバンクの1社しかなく、その社も内訳ではなく産業医全体の4件を出しているだけです。

産業医と社医と製薬医とメディカルドクターの違いは書いていません。区分としては別々に立てられているのに、定義を書いている社が24社の中に1つもありませんでした。

どの社が産業医に強いかは書いていません。件数はならされておらず、専門2社にいたっては件数そのものがありません。勤務が決まるまでの速さも各社の自己申告しかありません。

口コミと評判は書いていません。うちは1件も持っていないからです。

書いたのは、公式サイトに書いてあったことと、それを24社ぶん数えた結果だけです。各社の全項目は台帳の各サービスのページにそのまま置いてあります。確認日は17社が2026年8月20日、7社が2026年8月21日で、産業医専門の2社はどちらも2026年8月20日です。

この記事で使った判定欄をまとめておきます。産業医を扱う社数は shinryokaKensaku / shisetsuKensaku / senmonRyouiki、求人検索で選べる社数は shinryokaKensaku / shisetsuKensaku のみ、業務内容の軸は shisetsukensaku(求人検索の絞り込みを表記のまま写した散文の欄)、雇用形態は koyouKensaku、求人数は kyujin、報酬は nenshu、登録フォームは form、サポートの記述は support、運営会社は unei、対応エリアと拠点は taiogai です。

いちばん大事な線引きをもう一度書きますkoyouKensaku / shinryokaKensaku / shisetsuKensaku の3つは、どれも求人検索で選べる選択肢を写した欄です。求人検索を持たない社はこの3欄が空になります。「産業医を扱うか」を問うときは senmonRyouiki も見ます。「求人検索で産業医を選べるか」を問うときは見ません。この2つを混ぜると、産業医専門の会社が静かに消えるか、逆に「求人検索で選べる」と誤解される数字ができます。この記事では、社数を出すたびにどちらの問いなのかを書きました

この記事に出てきた切り口の一覧ページは次のとおりです。産業医 16社健診・人間ドック 16社非常勤・定期非常勤 19社常勤 18社スポット・単発 11社美容 19社全国対応 23社公開求人数を出しているサービス 19社

24社を同じ基準で読んだ集計は医師の転職サービス24社の情報開示調査にまとめてあります。常勤も含めた全体の作りは医師の転職サイト24社の記録、1日単位のスポットは医師のスポットバイト24社の記録、週◯曜日の定期非常勤は医師の定期非常勤24社の記録、科目の区切り方は診療科24社の記録に書いています。