医師の転職サービス24社の情報開示調査(2026-08-21時点)
医師向けの転職・非常勤・スポット(1日単位)サービス24社の公式サイトを、トップページだけでなく求人検索の絞り込み条件・登録フォームの入力欄・よくある質問・会社概要・利用規約まで1社ずつ読み、条件がどこまで公開されているかを同じ基準で集計しました。
まとめサイト・比較記事・口コミサイトの数値は一切使っていません。当サイトの評価やランキングではありません。引用可(末尾に出典表記の例)。
調査でわかったこと
- 24社のうち3社は、公式サイトに求人検索そのものがありません。案件は登録後に担当者が紹介する形です。雇用形態・診療科・施設区分のどれも「サイト上で選ぶ」ことができないため、絞り込み条件を材料にした比較からは構造上まるごと外れます。この3社を「対応していない」と数えないよう、本ページでは分母を分けています
- 求人検索でスポット(1日単位)を選べるのは11社。これとは別に6社は、求人検索では選べないのに登録フォームの希望雇用形態にはスポットがあります。公開求人としてスポットを出していないだけなのか、紹介そのものを行っていないのかは、公式サイトの記述からは判断できません
- 公開求人数を数字で出しているのは20社。ただし1社は他社の求人を集めたプラットフォーム型で、当台帳に別々に載っている会社の求人が重ねて数えられています。さらに5社は、常勤・非常勤・スポットを別々の数字でしか出しておらず、サイト全体の合計を示す表示がありません
- 「利用者の平均年収」「年収がいくら上がったか」を数字で出しているのは24社中0社です。求人票ごとの金額(年収レンジ・時給・1回いくら)は多くの社が出していますが、サービス自体の成果を示す数字は別です。20社については、その旨の記載が公式サイトに見当たらないことを個別に確認しています
- 公式サイト内で記述が食い違っている社が7社ありました。同じ日にトップページと一覧ページで求人件数が違う、運営会社名がページによって違う、同じサービスの有料職業紹介事業の許可番号が2つ書かれている、といったものです
項目別の開示率
「公開している社」の分母は、断りがなければ24社です。求人検索の中身を問う項目は、求人検索を持つ21社を分母にした比率も併記しています。
| 項目 | 公開している社 | 補足 |
|---|---|---|
| 求人検索そのものがある | 21社(88%) | 3社は登録後に担当者が紹介する形で、絞り込み条件を持ちません |
| 求人検索で診療科を選べる | 21社(88%) | 選択肢の数は最少2・最多58で、大きな開きがあります |
| 求人検索で施設区分を選べる | 15社(63%) | 軸の名前は「施設形態」「施設の種類」「施設区分」など社ごとに違い、選択肢は5〜17です |
| (求人検索を持つ社に限ると) | 15社(71%) | 求人検索を持つ21社を分母にした割合です |
| 求人検索でスポット・単発を選べる | 11社(46%) | 登録フォームにだけ項目がある6社は含めていません |
| 求人検索で常勤の年収帯を選べる | 10社(42%) | 「年収2000万円以上」のようなこだわり条件が1つあるだけの社は含めていません |
| 利用者の平均年収・年収アップ額を数字で出している | 0社(0%) | 記載が見当たらないことを個別に確認できたのは20社です |
| 公開求人数を数字で出している | 20社(83%) | 何を数えた数字かは社ごとに違います |
| うち他社と同じ意味の数字でない | 1社(4%) | 他社の求人を集めたプラットフォーム型のため、同じ列に置いていません |
| 非公開求人の規模を数字で出している | 6社(25%) | 件数または割合(7割・8割・約3割)で示している社です |
| 開業支援を自社のサービスとして掲げる | 4社(17%) | 別に3社は求人側の絞り込み条件に「開業支援あり」があるだけ、6社は運営会社や関連会社の別サイトです |
| 他社サービスとの併用の可否を明記 | 6社(25%) | 「可」と書いたうえで、同じ医療機関に複数社から打診が入る不利益に触れている社もあります |
| 有料職業紹介事業の許可番号を掲載 | 21社(88%) | 同じ法人の別サイトにしか番号が出ていない社は数えていません |
| 登録時に医師免許取得年などを聞く | 16社(67%) | 医籍登録番号まで聞く社と、生年月日も聞かない社があります |
| LINEでの相談・情報配信の導線がある | 6社(25%) | 「LINEがある」ことと「電話なしで進められる」ことは別です |
| 公式サイト内で記述が食い違っている | 7社(29%) | 件数・社名・許可番号・表記ゆれを含みます |
「スポット」は、検索できる社と登録しないと分からない社に割れている
医師のアルバイトには、曜日を決めて続ける定期非常勤と、1日単位で契約するスポットがあります。この2つは探し方がまったく違い、スポットを扱う社は「勤務日をカレンダーから選ぶ」検索を別に持ち、定期は「勤務曜日から選ぶ」検索になります。求人カードの書き方も、スポットは勤務日を日付で、定期は「毎週◯曜日」と分かれます。
求人検索でスポットを選べるのは11社です。いっぽうで6社は、求人検索の勤務形態にスポットが無いのに、登録フォームの希望雇用形態にはスポットがあります。求人検索が常勤・非常勤の2区分なのに登録フォームは常勤・非常勤・スポットの3つ、検索タブが2つで会員登録フォームが常勤・定期非常勤・スポットの3択、といった形です。
別の形の食い違いもあります。ある社はスポット専用の検索ページ自体は開けますが、トップページと常勤・非常勤の検索ページではスポットのタブがHTMLコメントで囲まれていて表示されません。条件を付けずにスポット検索を実行した結果は0件でした(確認日は各社ページに記載)。
本ページでは「求人検索で選べる」ことだけを数えています。登録フォームにだけ項目があることを「スポットに対応している」と数えると、日付を指定して探せる社と、登録して聞いてみるまで分からない社が同じ列に並んでしまうためです。ただし「登録フォームにしかない」ことは「扱っていない」という意味ではありません。
「美容を扱うか」は、施設区分では数えられない
この調査でいちばん危なかったのが、同じことを聞いているように見える欄が、実は違うものを指しているという問題です。
美容医療を扱う社は19社あります。ところが施設区分の選択肢に「美容」が入っているのは1社だけです。多くの社は美容を診療科(美容外科・美容皮膚科)として持っているので、施設区分だけを見て集計すると、美容を扱う社が18社ぶん静かに消えます。
しかも美容専門の社ほど消えやすいという逆転が起きます。美容専門の社は施設区分の絞り込みそのものを持たないことがあり(絞り込みは勤務地・科目・勤務形態だけ)、施設区分を材料にすると真っ先に外れます。ある美容専門の社は会社案内に「弊社の医師転職サポートは、一般病院に関しては一切行っておりません」と明記しており、求人検索の科目も美容外科・美容皮膚科の2つだけです。診療科の選択肢が最少2・最多58という開きは、この「扱う範囲そのものが違う」ことの反映です。
同じことが産業医でも起きます。産業医を扱う社は16社ですが、求人検索の科目や施設区分から選べるのは14社で、残る2社は産業医を専門に扱っているのに求人検索そのものを持たないため、絞り込み条件を材料にすると一覧から消えます。産業医を探しに来た人が、産業医専門の会社を見落とすことになります。
調査の方法
- 対象:当サイトが掲載している医師向けサービス24社。掲載条件は「医師向けのサービス名・サイトを持つ」「全国または広域の求人を扱う」「確認日に公式サイトへ到達でき、求人検索または登録の申し込みができる」「第三者の比較・まとめサイトではない」の4つです
- 方法:各社の公式サイトを、トップページだけでなく求人検索の絞り込み条件・登録フォームの入力欄・よくある質問・会社概要・利用規約まで確認しました。まとめサイト・比較記事・口コミサイトの数値は一切使用していません
- 求人検索を持たない社があります:24社のうち3社は公式サイトに求人検索がなく、雇用形態・診療科・施設区分の判定材料をひとつも持ちません。この3社を「対応していない」に数えていません。そのため「求人検索で◯◯を選べる社」の割合は、断りのない限り24社を分母にした値で、求人検索を持つ21社を分母にすると割合は上がります
- 集計の基準:「求人検索で選べる選択肢」と「登録フォームの選択肢」と「求人票の本文」を区別して数えています。検索には無いのに登録フォームにだけある項目を、対応していると数えていません。その代わり、食い違いがあること自体を上の項目で数えています
- 領域の判定だけは扱いが違います:美容・産業医のように「そのサービスが扱う領域」を問う項目に限り、求人検索を持たない社の領域も数に入れています。求人検索の選択肢だけを材料にすると、その領域の専門会社ほど先に消えてしまうためです。雇用形態や診療科の項目には混ぜていません
- 「明示なし」の扱い:公式サイトに記載が見当たらなかったという意味で、その会社が対応していないという意味ではありません
- 更新:各社ページに最後に確認した日付を記載しています。数値は掲載社数の増減にあわせて更新されます
引用について
本ページの数値・表は、出典を明記していただければ引用・転載していただいて構いません。許諾のご連絡は不要です。
出典表記の例:
出典:医師の転職台帳「医師の転職サービス24社の情報開示調査」
https://ishi-tensyoku.com/chosa/
数値は掲載社数の増減にあわせて更新されます。引用時点を併記していただけると正確です。取材・データに関するお問い合わせは nagisacorporation@gmail.com までどうぞ。