非常勤の報酬を金額で絞り込めるのは24社中6社。単位まで確認できた4社のうち、月額で絞り込めるのはMRTの1社だけ
この記事は、台帳に載せている24社の公式サイトを2026年8月20日と8月21日に読んで分かったことだけで書いています。テーマは非常勤医師の報酬、つまり時給・1回いくら・月額という、常勤の年収とは単位そのものが違うお金の話です。
先に、この記事が答えられないことを言います。非常勤の時給相場は書きません。24社を読んだ範囲で相場や平均額を公式サイトに書いている社が見当たらず、こちらで計算して出せる数字でもないからです。利用者の平均年収も書きません。出している社が1つも無いからです。口コミと体験談は書きません。うちは1件も持っていません。順位も付けません。
答えられるのは2つです。求人検索でどの単位の金額を指定できるかと、金額が求人票のどこに書いてあるか。社数を出すときは、台帳のどの欄で判定したかと分母が何社かを毎回本文に書きます。曜日から探す方法は曜日で探す記事、定期非常勤の全体は定期非常勤の記事、1日単位のスポットはスポットの記事にあり、重なるところは同じ表を作り直さずリンクで送ります。
非常勤の金額を求人検索で絞り込めるのは、求人検索を持つ21社のうち6社
判定に使ったのは台帳の kensaku 欄(求人検索の絞り込みを表記のまま写した欄)と nenshu 欄で、見たのは「非常勤・定期の求人検索に、金額を指定する欄があるか」の1点だけです。こだわり条件やタグの形で金額のラインを持つ社はここに数えていません。なお24社のうち3社は公式サイトに求人検索そのものがなく(エムステージの産業医求職支援サービス、さんぎょうい株式会社、医師のセカンドキャリア)、この3社を「金額で絞り込めない社」に数えていません。
| サービス | 非常勤側の金額の欄(公式表記のまま) |
|---|---|
| 医師バイトドットコム | 定期は6段階。時給12,000円以上/11,000円以上/10,000円以上/日給10万円以上/9万円以上/8万円以上 |
| MRT | 定期非常勤の「給与」を 時給/一回/月額 の3通りで指定 |
| ドクターコネクト | 給与13段階の中に日給5段階と時給2段階(~1万円/1万円~)を年収と一列に並べる |
| 医師キャリ | 常勤の「年俸・年収を選択」が、非常勤では「日給・時給を選択」に変わる |
| ドクタービジョン | 非常勤の詳細検索は常勤の「年収」の代わりに「給与」を指定する |
| 医師転職ドットコム | 非常勤の求人検索に「給与」がある |
6社のうち、欄の中身(単位や段階)まで台帳に写せているのは4社です。ドクタービジョンと医師転職ドットコムは「給与」という欄名までしか記録しておらず、時給で選ぶのか1回いくらで選ぶのかは確認していません。この2社について以降で単位の話をしないのはそのためです。
逆に、非常勤の金額を絞り込む欄が無いと台帳に個別に記録した社が4社あります。美容医局は「給与・週の日数・こだわり条件による絞り込みはない」、e-hijyokinは「給与額や施設形態で絞り込む条件はない」、日本医師会ドクターバンクは「求人検索に年収の絞り込みが無い」、Doctor's Life Careerは「年俸」が常勤のみで非常勤側に金額の欄がありません。さらに、絞り込みの欄ではなくこだわり条件や特集の側に金額のラインを置く社が3社あります(Dr.アルなびの「給与1回10万円以上」、マイナビDOCTORの「1日10万円以上」「時給1.3万円以上」、e-hijyokinの勤務体系の並びの「高額」)。
常勤の側と並べると差がはっきりします。nenshu 欄で数えると、常勤の年収を2つ以上の選択肢から選べるのは、常勤を選べる18社のうち9社で、いちばん細かい医師転職ドットコムは1000万円以上から2500万円以上まで8段階あります。非常勤は、そもそも金額の欄がある社が6社です。
単位を写せた4社のうち月額を持つのはMRTだけ。絞り込みの単位と求人カードの単位は一致しない
前の節の6社のうち単位の名前まで台帳に写せた4社を並べると、使っている単位はこう割れます。
| サービス | 時給 | 1回・日給 | 月額 | 年収と同じ欄か |
|---|---|---|---|---|
| MRT | あり | あり(一回) | あり | 別。定期非常勤の検索は常勤と別画面 |
| 医師バイトドットコム | あり(3段階) | あり(日給3段階) | 明示なし | 別。常勤は姉妹サイト側 |
| ドクターコネクト | あり(2段階) | あり(日給5段階) | 明示なし | 同じ欄に年収と一列に並ぶ |
| 医師キャリ | あり | あり(日給) | 明示なし | 欄の位置は同じで、中身が雇用形態で差し替わる |
この4社の中で「月額」を持つのはMRTだけでした。時給でも1回いくらでもなく、毎月いくらという単位です。定期非常勤が「毎週◯曜日」で続く前提だからこそ成り立つ単位で、同じ社のスポットの検索(勤務日と給与総額)にはこの選択肢がありません。これは「他の23社が月額を扱っていない」という意味ではありません。単位まで写せたのが4社しかないので、言えるのは写せた4社の中では1社だけだったということです。
もうひとつ、絞り込みの単位と求人カードに出る単位は一致しません。MRTは絞り込みが3通りなのに定期非常勤の求人カードの表示は「70,000円(一回)」「90,000円(一回)」、Dr.アルなびの定期のカードは「時給 10,000円」と「1回 60,000円」が混在、Doctor's Life Careerは金額の絞り込みが常勤の「年俸」だけなのにカードには非常勤の「時給 10,000円」「1回 50,000円」が出ます。探すときに使える単位と、開いたときに書いてある単位は別だということです。
時給の目盛りは3社とも10,000円から始まる。上端は12,000円と13,000円に割れる
時給の選択肢を金額まで台帳に写せた社を並べます。判定は kensaku nenshu 欄です。
- 医師バイトドットコム — 定期の時給は10,000円以上/11,000円以上/12,000円以上の3つ。日給は8万円以上/9万円以上/10万円以上
- 医師キャリ — スポット用の選択肢が時給10,000円/11,000円/12,000円と、日給・一回の 8万/9万/10万/11万/12万/20万/30万円。非常勤側は同じ欄が「日給・時給を選択」に切り替わります
- ドクターコネクト — 時給は2段階で、~1万円 と 1万円~ に割ります。こだわり条件の「給料」群にも「時給1万円以上」があります
- マイナビDOCTOR — 非常勤のこだわり条件が「時給1.3万円以上」。欄ではなく1本のラインの形です
目盛りの下端は3社とも10,000円でした。医師バイトドットコムと医師キャリは10,000円から始まり、ドクターコネクトは1万円を境に上下2つに割ります。上端は12,000円が2社、13,000円が1社です。日給・1回の側では、医師キャリの20万円と30万円だけが刻みから外れて飛びます。1万円刻みで12万円まで並べたあと、次が20万円、その次が30万円という並びで、公式サイトに説明はありません。
この数字は相場ではありません。書いたのは各社が絞り込みの目盛りをどこに置いたかであって、掲載されている求人がその金額だという意味ではありません。目盛りは「ここで切ると使われる」という各社の判断です。それぞれの目盛りに何件の求人が入っているかは、4社とも表示していません。
金額の高さとは別に出来高の軸もあります。kensaku 欄で「インセンティブ」という語が絞り込み条件の名前に入っている社を数えると、求人検索を持つ21社のうち8社でした(ドクタービジョン、Dr.アルなび、ドクターコネクト、医師キャリ、Dr.転職なび、DtoDコンシェルジュ、e-doctor、医師ジョブ)。このうち非常勤の検索でも使えると台帳から読めるのは4社(ドクタービジョン・Dr.アルなび・ドクターコネクト・医師キャリ)で、残る4社は常勤側の欄として記録しています。
インセンティブの単価まで求人票に書いた例は1件だけ見つかりました。Doctor's Life Careerの非常勤の求人カードの「給与・賞与:」欄です。
1回 50,000円(13件〜インセンティブ有:5,000円/1件)
13件を超えたぶんは1件あたり5,000円、という書き方です。固定の額と件数に連動する額が同じ欄に並んでいます。他の23社の求人票の表記例を nenshu 欄で読み直しましたが、件数や売上に連動する単価を金額まで書いた例は他に見当たりませんでした。
金額は求人タイトル・給与欄・備考に散る。登録前に金額まで読めると書けたのは5社
金額で絞り込めない社でも、求人票には金額が書いてあります。どこに書いてあるかは社によって違い、台帳の nenshu spot 欄に写した表記は4通りに分かれます。
1. 求人タイトルに入れる。 医師バイトドットコムの「【倉敷市】内科外来:木曜14:00~17:00/一回2~3万円/終日勤務も応相談」のように、一覧の段階で地名・業務・曜日・時間・金額が読める形です。
2. 求人カードの給与欄に出す。 Dr.アルなびの「時給 10,000円」、MRTの「70,000円(一回)」がこの形です。
3. 備考に内訳を書く。 e-hijyokinは、時間帯ごとに金額が違う求人の給与欄を「※備考参照」とし、補足情報に「※給与:【9:00~12:00】36,000円~40,000円、【14:30~15:30】12,000円~15,000円、【16:00~18:00】24,000円~30,000円」と書きます。同じ1日の中で時間帯ごとに単価が違うことが、この書き方だと分かります。
4. 登録してから聞く。 求人検索を持たない3社と、会員登録後のマイページで勤務形態ごとの希望条件を登録する民間医局では、金額は登録後のやり取りで出てきます。
そこで問題になるのが登録する前に金額を読めるかです。kensaku 欄に「未ログインで読める範囲」を書けた社のうち、その範囲に金額が入っていると明記できるのは5社でした。
- 日本医師会ドクターバンク — 「勤務地・施設種別・募集科目・業務内容・曜日と時間・給与まで表示される」。定期非常勤を判断するのに要る項目がほぼ揃います
- Doctor's Life Career — カードに 常勤/非常勤・都道府県・募集科目・給与賞与・勤務日・勤務時間・職務/業務内容 まで出ます
- 医師キャリとドクターキャスト — 求人票の給与(ドクターキャストは年収)まで読めますが、施設名や医療機関名が伏せられている求人があります
- JMC — 求人票の給与まで読めます。ただしこのサイトの求人はすべて常勤です
残る社について言えるのは、未ログインで金額まで読めるかどうかを台帳に記録していないということだけで、読めないという意味ではありません。
交通費も一言だけ。「交通費込み」か「交通費別途支給」かで絞り込めるのは医師バイトドットコムと医師転職ドットコムの2社です。同じ時給でもこの2つでは手取りが違い、定期非常勤では毎週その差が出続けます。交通費を絞り込み条件に持つ5社の一覧はスポットの記事にあります。
相場・平均額を「明示なし」と個別に記録したのが20社
冒頭で「相場は書けない」と書いた根拠を数字で出しておきます。nenshu 欄に、相場・平均額・平均年収・年収の上げ幅のいずれかについて「公式サイトに明示なし」と個別に記録した社は20社でした(24社を分母にしています)。書き方は社ごとに違い、医師バイトドットコムは「サービス全体の時給相場・平均額の記載は公式サイトに明示なし」、MRTは「スポット・非常勤の相場や平均額の記載は公式サイトに明示なし」、民間医局は「年収の目安や平均値そのものは公式サイトに明示なし」です。
残る4社も書いておきます。さんぎょうい株式会社は「報酬・年収についての記載は公式サイトに明示なし」、エムステージの産業医求職支援サービスは嘱託(定期)の金額について明示なし。美容医局とドクターコネクトの2社については、相場の有無を個別に確認した記録が台帳にありません。だからこの記事では「24社とも相場を書いていない」とは書かず、20社について個別に確認したとだけ書きます。
利用者の平均年収や年収の上げ幅を数字で出しているサービスは、24社を読んだ範囲で1つもありませんでした。この結論は24社の情報開示調査にも書いてあります。「医師の年収」を解説するコンテンツを持つ社はあります(JMCの「医師の年収診断」、医師転職ドットコムの「年収診断シミュレーション」など)が、これは医師一般の年収の話で、そのサービスを使った人の実績とは別物です。JMCの診断ページにも「実際の年収と差が出てしまう場合があります。また、これらの算出方法についての質問には一切お答えすることができません。」という注記が付いています。
この記事に出てきた個別の金額を集めて平均を出すこともしません。掲載方針が社ごとに違い(高額求人の特集を組む社と組まない社があります)、地域も科目も業務内容もそろっておらず、目盛りに何件入っているかを表示している社もないからです。平均を出しても、各社の掲載方針を平均しただけの数字になります。
求人検索を持たない3社の書き方も添えておきます。エムステージの産業医求職支援サービス は専属産業医を「年収 900~2,000万円」「35日勤務 / 週」と書く一方、嘱託産業医(定期)は「報酬は案件により異なります」として金額を書いていません。なおこの「定期」は医療機関の定期非常勤とは意味が違います。同社が書く嘱託産業医の勤務頻度は「1日勤務 / 12ヶ月」「1回 / 60~120分」で、頻度も1回の長さも桁が違います(産業医の報酬は産業医の記事に16社ぶんあります)。さんぎょうい株式会社 は金額の表記そのものが1つも見つからず、医師のセカンドキャリア が金額に触れているのは『年収など納得いただける条件の医療機関と調整いたします。』と利用者の声の2か所だけです。
この記事で書かなかったもの
非常勤医師の時給相場は書いていません。この記事に出てきた金額はすべて、確認日に掲載されていた1件ずつの求人の表記か、絞り込みの目盛りです。利用者の平均年収も書いていません。24社とも数字を出していないからです。
「非常勤で月にいくらになるか」も書いていません。時給と勤務量を掛ければ計算できますが、その掛け算に使う勤務量(何曜日に何コマ)は読む人が決めることで、台帳にある数字ではありません。
どの社の報酬が高いかは書いていません。順位を付けるには比べる軸を1本に決める必要があり、その1本を決めるのは読む人の事情だからです。
税・社会保険の扱いは書いていません。求人票に税込と明記しているのはe-hijyokinの1社だけで、残る社の表記が税込なのか税別なのかは公式サイトを読んだ範囲では分かりませんでした。分からないことを推測で埋めません。口コミと評判も書いていません。うちは1件も持っていないからです。
書いたのは、公式サイトに書いてあったことと、それを24社ぶん数えた結果だけです。各社の全項目は台帳の各サービスのページにそのまま置いてあります。確認日は17社が2026年8月20日、7社が2026年8月21日です。判定欄は、金額の絞り込みの社数が kensaku、求人票の金額表記と相場の有無が nenshu、定期とスポットの作り分けが spot です。求人検索そのものを持たない3社は kensaku が空になるため、「金額で絞り込めない社」に数えていません。
報酬と関わりの深い記事はこちらです。曜日とスケジュールから探す方法は曜日で探す記事、定期非常勤の全体は定期非常勤の記事、スポットの報酬と「1日10万円」5社はスポットの記事、常勤の年収の刻み方と税込表記は医師の転職サイト24社の記録、当直・健診の探し方は当直と健診の記事に書いています。