転科したいと考えている医師は結構多い?
転科をしたいと考えている医師はそれほど多いわけではないが、おっさん循環器内科医の私の周りでもたまにいる。。
キッカケは人それぞれで、職場の環境の変化であったり、転職をするタイミングであったり、別の診療科に興味や魅力を感じるようになることは医師としてはそう悪い事ではない。
ただ、転科をしやすい診療科とそうでない診療科があることは間違いない。
診療科目別適正について。転科で後悔しない為に確認しておく事!
医師にとって転科は大きな人生の分岐点となる。転科をするという事は少なくともスタート地点からやり直しなので最初からその科でやってきた医師以上に頑張らないといけないわけだ。
転科をするという意志は個人的にはぜひ尊重したいが、決断をする際には目先のことだけではなく、医師としてこれから先の5年、10年をしっかりと見据えなければならない。
転科先の科目によってはこれまでの経験の一部が無に帰する可能性もある。
一時的にその科目のニーズが高くなっていてもその先もそれが続くとは限らないし、転科するタイミングの自分の年齢も考えなければならない。
転科をする理由が何なのか。
転科後どの様なキャリアプランを描いているのか。
メリットとデメリットを天秤にかけてみて果たしてどうなのか?
給与や年収はどうなるのか。
これらのポイントは最低限見直してほしい。
また診療科目の適性などもやってみないとわからないが、今はインターネットで自分の適性を無料で診断できるツールなどもるので、一度使ってみてもよいかもしれない。
リハビリへの転科
リハビリテーション科へ転職をする医師の科目として多いのが整形外科や脳神経外科がある。
それ以外の科目としては、神経内科などからの転科が多い科目がリハビリテーション科である。
全国的にリハビリの専門医は不足しているといわれているので、多くのリハビリ関係の医療機関が転科を希望している医師を積極的に採用している。
精神科への転科
精神科は転科をする医師たちの中で人気がある診療科目であるといえよう。
メンタルヘルスの社会的なニーズが年々高まっているという事も人気の一つであるが、ゆったり働きたいという目的で精神科へ転科を考えている医師もすくなくない様である。
ただ、勘違いしない方が良いことは、精神科は思っている以上に精神的にハードな勤務だという事だ。転科した医師が思っていた環境と違うとおっしゃるケースも少なくない。
皮膚科への転科
皮膚科へ転科を希望する医師は比較的女性が多い様である。
皮膚科は美容に関する研究などを行える面もあるので、女性医師が転科を希望する割合が多くなるのではないだろうか。
また皮膚科は患者の命に直結するような深刻な症例があまり多くないと考えて、転科を希望する医師が多くなっているのではないだろうか。さらに皮膚科や美容はクリニック勤務が多いので全体的に女性医師が働きやすい環境をとっている医療機関が多いというのも皮膚科への転科が人気となっている要因の一つだろう。
放射線科への転科
放射線科は最近人気の診療科でその重要度も高まっているが、放射線科へ転科する医師の多くは臨床現場で患者や患者家族と関わるのがあまり得意ではないので病棟を持ちたくないとった理由から転科するというケースがおっさん循環器内科医が見てきた中で数人いる。
放射線科は読影だけでなく、放射線治療やIVRなど、医療機器の発達が著しい診療科であり、この分野の医師へのニーズは高まっている。
転科を考えているドクターへ
転科をすることは、医師にとってリスクは少なくないが、適性に合わない診療科をいやいや続けているよりはいいのかもしれない。
転科して良かったという云わば転科成功医師は数多くいる。
ただし、注意してほしい事は、転科をすることは簡単なことではないという事である。
〇〇科なら簡単に転科出来ると思って転科をすると後悔するケースもあるだろう。
年齢によっては外科から内科へ転科するドクターなどが比較的多い。しかし簡単に転科できると思って転科をして現実を知り、挫折。という医師もいっぱいいるというも覚えておいた方がいい。
もちろん、それぞれ科目には高い専門性があり、数多く経験をしている医師には勝てないという謙虚な姿勢をもって転科しなければならない面もある。
ただし、これまでの経験と情熱をもって、新たな分野を学んでいくという謙虚な気持ちを忘れずに転科に臨めば転科を成功させることも出来るだろう。