医師が転職を考え始める年齢について考えてみる

転職を考える年齢は何歳が多いのか?

医師の転職適齢期は何歳くらいだろうか。これは診療科によって一概にいえないと思うし人それぞれだろうが、おっさん循環器内科医の経験からいうと、専門医や博士号などを一通り取れるものは取っておいた方がいいと思うのと、症例数や経験もちゃんとした指導医のもとで積んでおかないとまともに診療のできる医者にはなれない。
そう考えると30代半ばから40代半ばくらいが医師の最初の転職適齢期だろうか。
事実、おっさん循環器内科医の最初の転職は40代前半の時だ。おっさん循環器内科医は医局の辞め方で失敗してしまい、その後数度の失敗転職を繰り返してしまったが、タイミングは間違ってはいなかったと思っている。結婚して家族ができて家を買ってとお金が掛かる年齢だったこともあり、給与を増やしたいという強い動機があった。キャリアアップもしたいと思ったのだ。一度医局を辞めて転職すると、あとは年収アップ目的やキャリアによって働く病院を変えていくのは自然な事だ。長く勤務できる環境がひとつの病院で実現できるなら転職する必要はないが、なかなかそういう病院はないだろうから、自分や家族の生活に合わせて働く病院を変えていく転職をするのが現実的だろう。

年齢と年収・給与の関係性について

年齢と年収の関係性

年齢が上がると給与も上がっていくのが普通だ。年齢というよりは医師の経験年数、卒後何年という指標で年収が決まる病院がほとんどだと思うが、ともなく年々給与がアップしていく病院で働いていると安心感がある。しかし、病院側の立場から考えると年齢がいった医師の給与は高くなるためできれば若い医師を採用したがる。役職の問題もあり50代以降の転職は制約が多くなってくるのだ。
年俸制で毎年査定があって業績によっては年収がダウンする病院も中にはある。年収ダウンは無いが横ばいで年収が全く上がらないような病院もある。昇給がある病院なのか退職金はあるのか、年と取るにしたがってお金の心配も増えてくる。若い時にちゃんと貯めておけばよかったと少し後悔している。
いつも医師求人を出して医師の入れ替わりが激しい離職率が高い病院は目先の給与や年俸が高くても要注意だ。翌年はどうなっているか分からない。

転職の際の病院の選び方について

おっさん循環器内科医は初めての転職の時に、診療科の新規立ち上げと部長という役職、それに大幅な年収アップという条件に釣られて安易に転職してしまったのだが、その病院は地域であまり評判のいい病院ではなかった。そんな事もよく調べずに決めてしまったのだ。
年齢的にもキャリアアップできると思っていたし、カテがやれる環境だったので症例数を増やせば何もかもうまく回ると思っていたが、元々苦手だった人間関係をうまくやれずに1年ほどで転職することになってしまった。自分の至らなさもあるが病院選びも失敗だった。
カテをやれる環境とはいえ新規立ち上げでスタッフは未経験者ばかり、医者もいないという病院でイライラが募って人間関係が壊れてしまったのだ。
カテをやるなら部下や上司がいてスタッフも経験者が多く揃っているような病院で、症例数もある程度あって研修医が集まってくるような病院を選ぶべきだ。
地域でのその病院の役割がどうかということも重要だろう。近くに強い病院があればいくら頑張っても難しいのが現実だろう。自分のキャリアとか年齢で選ぶべき病院も変わってくるのだ。

医師に定年は実質ない。年齢とキャリアを生かして収入を得れる間に稼ぐことが重要

期限

幸いなことに医師には定年は実質ない。もちろん病院の規定で定年はあるが、60才とか65才の定年を過ぎても同じような条件で継続して働ける病院は多い。医師がこれから余ってくるようなことがあれば定年年齢で辞めてくれといわれるかもしれないが当面その気配はない。また病院からの評価が低ければ定年と同時にお払い箱になるということもあるかもしれないが、普通にやっていれば定年後も同じような条件で働けるのが医師という仕事のメリットだろう。年を取ればこれまで蓄積してきたキャリアと経験値が増える。医師としてキャリアアップしたいとか権力欲とかいったものはだんだん少なくなるが、体が動く間は医師として働けるのだ。元気なうちは年齢に関わらずキャリアを生かして収入を得れる間に稼ぐ事が将来の安心につながる。おっさん循環器内科医は貯金をあまりしてこなかったので何歳まで医師として働かないといけないのか不安を感じている今日この頃だ。