【医師転職を成功させる為の指南書】
プロフィールのところにも記載しているが私は50代のおっさん医師である。
専門は循環器内科で40代前半に医局を辞めるまでは大学病院や医局関連の公立病院などで勤務して普通の医者としてやってきたのだが、医局を辞めてからはいくつかの病院を渡り歩いてきた転職失敗組の医師である。
そんなおっさん医師の転職失敗記、体験談をブログで自戒も込めて発信してみる事にした。
これは私自身がまだ50代でこれからまた転職する可能性があるので、改めて自分を見つめ直してみたいという思いもあり転職失敗の体験談を交えながら医師の転職についていろいろなことを考えてみたい。
私の事例では、中にはこの病院への転職は成功だったなというものもあるが、これは失敗だったなというものもいくつかある。失敗の方が多いだろうか。誰かが指南してくれていればこんな失敗はせずに済んだのにと後悔する失敗事例もあるので体験談として、これから転職する若い先生には私のような失敗をして余計な回り道をしないで済むようにしていただきたいと思っている。
おっさん循環器内科医(私のことだ)も若い頃は人並みに一流の循環器内科医になりたいと思って心カテに没頭し、今思うと大したことは無いのだがお山の大将気取りでややイヤな奴だったかもしれないが、どこにでもいる普通の循環器内科医だったとは思う。
循環器専門医とCVIT認定医を取得したりと、それなりに頑張ってきたつもりだが医局の人間関係が面倒になり医局を辞めたのが40代前半の頃だった。
最初の転職は仕事がややマンネリ化してイヤになっていた時にインターネットから登録した医師転職エージェントが持ってきた話に乗ったのだ。
結果的にはこの時に医局への相談なしに転職を決めて教授へ事後報告となってしまったのがその後のキャリアに大きく影響することになるのだが、その時にはそんなことは想像もできなかった。それ以降は転職先を自分で探すのも大変なので医師紹介会社の力を借りていくつか病院を転々として今に至るというのが50代おっさん循環器内科医の略歴である。
今の病院ではCVIT認定医を維持できず、内科医として市中の中規模病院で勤務している。
退屈な毎日と将来に不安を抱えるおっさん循環器内科医の転職失敗反省記である。若い先生の参考になればと思って転職失敗の経験談など反省記的なものを書いていくつもりだ。こんなブログをはて、誰か読んでくれるのかな?とも思うが自戒とこれからの自分のためになればそれはそれでいいと思っている。
転職の時期はいつがタイミング?
医師の転職には動いていい時期やタイミングがあるように思う。医師として独り立ちができるようになるまではちゃんとした指導医のもとでじゅうぶんな経験を積むべきである。
まだ一人前になっていない段階で今の病院がイヤだからといってすぐ辞めて別の病院へ転職をしても中途半端な医者にしかなれない。もしも転科するならできるだけ若い時期の方がいいだろう。それでも人より遅れているので追いつくのは大変だ。
年齢的なことや結婚の時期など生活環境の変化も転職時期やキャリアアップのタイミングに大きく影響するだろう。専門医や博士号は医局や認定研修施設にいないと取れないのでそういった病院で勤務するのは一定期間必要になるだろう。適切な時期も考慮して将来のキャリアをよく考えた上で、その時々で適切な病院へ転職して腕を磨いていく必要がある。子供がいる先生の場合は育児で働き方を変えなければならない場合もあるだろう。子供の教育環境で住む場所を変えるという事もあるかもしれない。
医師の転職市場について。需要と供給のバランスって結構大事なんだなぁ・・・
医師の転職市場が広がりを見せている。今は便利な時代になってインターネットで医師の転職情報を簡単に調べることができる。今の日本は医師不足といわれている。医師を採用したい病院がいっぱいある訳だ。
しかし、細かく見ていくと診療科や年齢、役職などによってかなり細かい制限がついてくる。医師免許さえあれば誰でもいいとか、何才でもいいという訳ではないのだ。私のようにおっさん医師になると他の先生との年齢構成や役職、それに年齢的にどうしても高くなってしまう年収の面で条件に合う医師求人はそんなに多くないのだ。病院側の要望と医師側の条件、つまり需要と供給のバランスが合っていないと転職はうまくいかない。医師なら誰でもいいという訳ではないのだ。これは考えてみれば当たり前のことだが医師不足という言葉を真に受けて安易に転職してしまうと将来困ることになりかねない。若い医師は毎年増えてくるので給料が高い上、扱いにくいロートルの医者は敬遠されがちになるのだ。
【転職を繰り返す医師の特徴】
おっさん循環器内科医も転職失敗組だが、転職先の病院でうまくいかずにまたすぐ転職するといった具合で転職を繰り返す人がいる。転職を繰り返す医師には共通点があるように思う。自戒も込めてこれから転職を考える先生方にはせっかく転職をするのなら失敗を避けていい転職をしてもらいたいと思うので、恥ずかしながら自己分析と周囲で転職を繰り返している医師の事例から共通点や特徴を挙げてみる。
- 転職を繰り返す医師の共通点とは?
- 理想が高過ぎる
- コミュニケーションが苦手
- 我慢ができない
- 自信過剰、プライドが過剰に高い
- 人のせいにする。これまでの病院の悪口を公然という
こんなところだろうか。年齢が上がって転職を繰り返している医師は更にこの特徴が強くなる。採用側の病院から見れば扱いにくい医師ということで採用してもらえる病院が年を取るごとに少なくなってくるのだ。
注意点としては短期間での退職をできるだけしないことだ。不満があっても最低2年くらいは勤務を続けないとまともな病院はどこも相手にしてくれなくなる危険性がある。
とにかく短期間での転職を繰り返すことは避けた方がいい。
履歴書の時点で相手にされなくなってしまうのだ。
病院との面接時の注意点はこれまでの病院の悪口を決していわないことだ。前の病院が事実ひどいところだったとしても愚痴や悪口は絶対にいわない方がいい。何でも本音をいえばいいというものではないのだ。
【転職の成功とは? 大事なのは目的を実現できるかどうか】
おっさん循環器内科医が考える転職の成功は自分自身の納得感だ。人がどう見るかとか他人からの評判なんか気にする必要はないのだ。そんなことはどうでもいい。誰も人のことなど大して気になどしてないのだ。
何のために転職するのか目的を明確にして、それが実現できるならばその転職は成功といっていいだろう。年収アップが目的なのか、年収が高ければ仕事内容は妥協できるのか、仕事内容についてのこだわりが実現できるなら年収は二の次なのかといったようなことだ。自分の転職目的と条件の優先順位を明確にすることが医師の転職を成功させるためには大切だ。
ちなみに、おっさん循環器内科医がいつも気軽に連絡して相談している医師エージェント会社があるので紹介しておく。代表自らがエージェントとして面倒みてくれるとても面倒見の良いところだ。何せ私を面倒みれるのだから。個人的な相談なども気軽に乗ってもらっているので申し訳ないと思いながらも、相談にのってもらえるのでつい連絡してしまう。私は友人だと思っているが先方はどうなのかは聞いた事がないのでわからない。ただ、信頼できるエージェントである事は間違いないので、転職で悩んでいるのであれば、一度相談してみるのもいいだろう。
おっさん循環器内科医の場合は、40代の頃はとにかくカテがうまくなりなりたくて、人から認められたいという欲求が強かったので症例数を求めていた。どちらかというと年収は二の次だった。しかし今は少し諦めの境地もあるがゆとりを持って患者さんと向き合うことを心掛けて内科医として働いている。
今は仕事内容よりも自分の心のバランスを保つことと高い年収の優先度が高くなっている。子供にもまだこれからお金が掛かるのでそこは割り切って考えている。正直いうと刺激が少ないので退屈と思うこともあるがそういう年齢になったと思うしかない。
若い先生には立派な医師になりたいとかうまくなりたいという目標をもって自分が成功と思えるいい転職をしてもらいたい。